【ワクチン接種】スケジュールは? 優先接種となる基礎疾患は?

17日から医療従事者に対し先行して新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。

今後の接種は、4月以降に「65歳以上の高齢者」約3600万人、さらにその後「基礎疾患がある人」約820万人に対し順次行われる予定です。

今後の接種に関するスケジュールや、優先的な接種の対象となる「基礎疾患のある人」、そして接種対象者に送られる「クーポン=接種券」について改めてまとめました。

ワクチン接種のスケジュールです。

政府は16歳以上を対象に、無料でワクチンを提供する計画で、対象者には、優先順位をつけています。

17日から接種が始まった医療従事者への先行接種は、全国の100か所の病院で合わせておよそ4万人を対象に行われ、来週にはすべての病院で始まる見通しです。

厚生労働省は、来月中旬をめどに、残るおよそ370万人の医療従事者に接種できる体制を確保します。

また4月からは65歳以上の高齢者、およそ3600万人を対象に接種を始めることにしています。この「65歳以上の高齢者」には現時点で65歳以上の人だけでなく、来年度中(令和3年度)に65歳になる人も含まれます。(昭和32年4月1日以前に生まれた人)

ただ、4月からとされる高齢者の接種時期について、詳細は明らかにされていません。その後、基礎疾患のある人およそ820万人や高齢者施設の職員およそ200万人などを優先しながら、順次接種を進める方針ですが、具体的な時期はまだ示されていません。

どれだけのワクチンをいつ確保できるか、1つの容器から6回分取れる注射器を十分に確保できるかなど、不透明な要素が多いからです。

優先接種の対象となる「基礎疾患」とは?

厚生労働省は、新型コロナで重症化するリスクが高いといった理由で、基礎疾患の範囲を決めています。

先行接種の対象となる「基礎疾患」は、慢性の呼吸器の病気や心臓病、それに腎臓病や糖尿病などで、通院または入院している人などが対象です。

BMI「30」以上の「肥満」の人も対象 計算法は?

また肥満の程度を示す「BMI」が30以上の人も対象となります。

BMIは体重を身長の2乗で割って出すことができます。例えば、身長160cmの人だと、体重が76.8kgでBMIが30となります。

接種対象者には自治体から「クーポン(接種券)」が

新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けるために必要なのが、クーポン=接種券です。

対象者には、住民票を登録している自治体から事前に「クーポン=接種券」が送られるので、そのクーポンを会場に持っていくというのがおおまかな流れです。

厚生労働省によりますと、まず高齢者にクーポンが配られ、その後、それ以外の人に配布されます。

このうち高齢者へのクーポンは、3月下旬に発送が始まる予定です。

クーポンには名前や管理番号などが記載されていて、ワクチンの接種会場に持って行けば、無料で接種を受けることができます。

ただ会場についてはまだ具体的に固まっていないというところも少なくありません。

検討されているのは、医療機関や公民館、それに学校の体育館など。人が集まりやすい商業施設を検討している自治体もあります。

「住民票登録地」と違う場所で接種できる人とは?

接種は原則として、住民票を登録している市町村で受けることになりますが、やむをえない事情がある場合は、それ以外の市町村でも受けることができます。

具体的には、出産のために帰省している妊産婦、単身赴任している人、下宿している学生、DV=ドメスティック・バイオレンスやストーカー行為、それに児童虐待などの被害者、入院・入所している人、基礎疾患のある人が主治医のもとで接種する場合、災害の被害にあった人、勾留・留置されている人、受刑者、このほか、市町村長がやむをえない事情があると認めた人とされています。

住民票の登録地以外での接種を希望する場合は、原則として、接種の対象になっている期間中に、希望する市町村に対し事前に届け出を行う必要があります。

申請の方法としては、必要な書類を送る「郵送申請」、書類を直接提出する「窓口申請」、厚生労働省が設置するウェブサイトで提出する「ウェブ申請」の3つがあるということです。

申請を行うことができるのは本人が接種の対象となっている期間で、申請を行えないやむをえない事情がある場合は、申請を省略することも認められています。