認知症の人の預金引き出し 代理人でない親族なども認める指針

全国銀行協会は、認知症の人の預金を代理人ではない親族などが引き出すことを例外的に認めるとした指針をまとめました。ただ、悪用を防ぐため介護や医療費の支払いなど明らかに本人の利益になる場合に限るとしています。

意思確認ができない認知症の人の預金を本人に代わって引き出す場合、これまでは原則として、成年後見制度と呼ばれる制度で代理人になる必要がありました。

しかし高齢化が進み認知症になる人が増えると予想される中、代理人ではない親族でも本人の医療費などの支払いのため、預金を引き出したいというニーズが高まっています。

このため全国銀行協会は、成年後見制度の利用を促すのが基本だとしたうえで、代理人の手続きが間に合わない場合などに限って、代理人でない親族などが認知症の人の預金を引き出すことを認めるとした指針をまとめました。

ただし、引き出した預金の使いみちが医療費や施設の入居費用など明らかに本人の利益になる場合に限るとしています。

民間のシンクタンクの試算では認知症の人の金融資産は2030年には215兆円に上る見通しですが、成年後見人を決めていないといった理由で、財産を適切に管理できないケースが今後、増えると見られています。

全国銀行協会は対応を柔軟に見直すことで財産の適切な管理につなげたい考えで、この指針を近く加盟する銀行に周知する方針です。