コロナ 修学旅行に行けなかった広島と結びオンライン授業 奈良

新型コロナウイルスの影響で、修学旅行で広島を訪れることができなかった奈良県の小学生たちが、原爆の被害を受けながら今も走り続ける「被爆電車」の車内などとオンラインで映像を結び、平和について学ぶ特別授業が行われました。

奈良県生駒市のあすか野小学校では、去年の秋、6年生が広島県に修学旅行に行く予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で近場の三重県などに行き先を変更しました。

その代わりに、16日、広島とオンラインで映像を結び、戦争の歴史や平和について学ぶ特別授業が行われ、およそ160人が参加しました。

路面電車で広島市内をめぐる授業では、電車に乗り込む気分を味わってもらおうと学校の廊下に改札が設けられ、子どもたちは切符を見せたあと教室に入りました。

広島では、原爆の被害を受けながら今も走り続ける路面電車の「被爆電車」に広島電鉄の社員が乗り込み、車窓から見える原爆ドームなどの映像をオンラインで届けながら案内しました。

この中で、路面電車は被爆から3日後には一部区間で運転を再開し、家族を探しにいく人などを乗せたことや、倒れた電柱の代わりに船のマストを使い、車両を走らせる電気を通していたことなどを説明しました。

広島電鉄総務課の谷田一晃さんは「少しでも臨場感を感じてもらえるよう工夫しました。オンラインは多くの人に見てもらえるので今後も開催を検討していきたい」と話していました。

このあと、広島市の五日市小学校と中継を結び、被爆を経験した人から聞いた話や原爆の被害の大きさなど、広島の子どもたちの発表を聞きました。

授業を受けた女子児童は「たくさんの人の協力のおかげで、いろいろなことが学べて、感謝しています」と話していました。

石村吉偉校長は「子どもたちがいい表情で参加してくれて、とてもうれしく感じています。この経験を財産にしてほしい」と話していました。