インフルエンザ 今季まだ流行入りせず 調査開始1999年以降で初

今シーズンのインフルエンザについて、今月7日までの1週間に報告された患者の数は全国で98人で、全国的な流行入りの水準を大幅に下回っています。厚生労働省によりますと、この時期になってもインフルエンザが流行入りしないのは、現在の方法で調査が始まった1999年以降では初めてだということです。

国立感染症研究所などによりますと、今月7日までの1週間に全国およそ5000か所の医療機関から報告があったインフルエンザの患者数は前の週と比べて34人多い98人でした。

患者が報告された地域は全国21の都道府県でした。

また、ここから推計されるこの週の全国の患者数はおよそ1000人で、去年秋以降の累計ではおよそ1万2000人と推計されています。

インフルエンザは1医療機関あたりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされていますが、1医療機関あたり0.02人と1人を大きく下回っています。

例年は、この時期に流行のピークを迎えることが多く、報告される患者数も1週間に10万人から20万人に上りますが、ことしは大幅に少ない状態が続いています。

厚生労働省によりますと、この時期になっても流行入りしなかったのは、現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、初めてだということです。

専門家「新型コロナの感染対策で流行しにくい状態」

感染症が専門で国立病院機構三重病院の谷口清州臨床研究部長は「新型コロナウイルスに対し一人一人が非常に気をつかって、感染対策をしていることが大きな要因だとみられ、流行しにくい状態が続いている。この状況だと、今シーズンはインフルエンザの患者が流行のレベルまで増えるとは考えにくいが、人と人との接触の機会が増えると感染者も増えてくると考えられる。引き続き、感染状況に注意しながら対策を続けていく必要がある」と話しています。