菅首相 ワクチンの医療従事者への接種 17日から開始の考え表明

国会では15日、衆議院予算委員会で集中審議が行われました。
菅総理大臣は14日に承認されたワクチンの医療従事者への接種を17日に開始する考えを表明しました。

新型コロナウイルスのワクチンは14日、国内で初めて、アメリカの製薬大手ファイザーが開発したものが厚生労働省に承認されました。

菅総理大臣は「あさってには、医療関係者への接種を開始したい。1日も早く、国民に安全で有効なワクチンを届けられるよう、全力で取り組んでいく」と述べました。

自民党の村井英樹氏はワクチンの接種について「できるだけ早く多くの国民に受けてもらうためには、接種ルートの多様化が必要だ。高齢者は、集団接種に加えて、医療機関の個別接種を軸の一つに加えるべきだ」と指摘しました。

これに対し、接種を担当する河野規制改革担当大臣は「多くの自治体で、集団接種と診療所などでの個別接種を組み合わせた計画を策定をしている。当初は、マイナス75度での輸送や保管が必要で、ファイザー社のワクチンは『小分けが難しい』という話だったが、了解を取れているので、自治体の計画通りに進めていただきたい」と述べました。

専門医「確実な情報で判断を」

まもなく医療従事者への接種が始まる新型コロナウイルスのワクチンについて、患者の治療に当たってきた医師は、接種が進めば感染者や重症者が減って、医療現場の負担が減るという期待を示しました。

その一方で、接種するかどうかについて、個人のSNSで拡散される科学的根拠が乏しい情報は信用せず、感染症やワクチンの専門家や国が出す情報をみて、冷静に判断してほしいと話しています。

アメリカの製薬大手、ファイザーなどが開発したワクチンは、17日にも医療従事者への先行接種が始まる見通しです。

このワクチンについて、患者の治療を続けてきた国立国際医療研究センターの忽那賢志医師は「臨床試験では発症リスクが20分の1程度になるなど、発症予防効果は高いとみられ、接種が進めば感染者や重症者が減って、医療現場の負担は確実に減ると考えられる。すぐに元の生活に戻れるとは思えないが、効果が見えてくれば対策を少し緩められる可能性も出てくる」と述べ、臨床医としての期待を示しました。

そして、重症化するリスクが高い持病のある人や、65歳以上の高齢者に加え、若い人でも症状は軽いことが多いものの、後遺症に苦しむこともあるため、接種を検討してほしいとしていて、忽那医師は「自分自身は重症化のリスクもあるのですぐにでも接種したい」と述べました。

一方で、食物アレルギーのある人や抗菌薬などで急激なアレルギー反応、アナフィラキシーを経験したことがある人は、かかりつけの医師などと十分に相談したうえで決めてほしいとしています。

ワクチンの効果や副反応などについて科学的根拠の乏しい情報が広がり混乱することが懸念されていますが、忽那医師は「感染症やワクチンの専門家や国がこまめに正確な情報を伝えることが大事だ。接種を判断する際には、個人のSNSで拡散される根拠の乏しい情報は信用せず、冷静に接種するかどうか判断してほしい。今後、医療現場で速やかに接種が進めば、一般の人たちの不安が解消され接種しようという気持ちになっていくのではないか」と話しています。