プーチン大統領 “新憲法に従い北方領土引き渡し交渉行わず”

ロシアのプーチン大統領は、日本との平和条約交渉に関連して、憲法に矛盾することはしないとして、領土の割譲を禁止した新しい憲法に従って北方領土の引き渡しをめぐる交渉は行わないという考えを強調しました。

ロシアでは去年7月、プーチン大統領が主導して憲法が改正され、他国への領土の割譲を禁止する条項が盛り込まれました。

プーチン大統領は今月10日に行われた報道機関の幹部との会見で、憲法改正と日本との平和条約交渉に関連して発言し、その内容が14日、国営テレビで放送されました。

このなかでプーチン大統領は「私たちは、日本との関係を発展させたいし、今後もそうするつもりだが、ロシアの基本法に矛盾することは何もしない」と述べ、憲法に従って北方領土の引き渡しをめぐる交渉は行わないという考えを強調しました。

憲法では国境を画定する行為については禁止項目から除外されていて、日本との平和条約交渉を続ける余地は残したという見方も出ていますが、プーチン大統領は国境画定に関する質問には「ラブロフ外相に聞いてほしい」と答え、具体的には述べませんでした。

元島民は抗議 静観せず交渉を

ロシアのプーチン大統領が、新しい憲法に従って、北方領土の引き渡しをめぐる交渉は行わないという考えを強調したことについて、元島民からは抗議の声があがっています。

元島民などでつくる「千島歯舞諸島居住者連盟」の宮谷内亮一根室支部長(78)はNHKの取材に対し「これまで積み上げてきたものをないがしろにする発言だ」と抗議しました。

また、背景にプーチン大統領に批判的な野党勢力指導者の拘束をめぐる抗議活動や、悪化する経済といった国内問題があるのではないかと分析したうえで「北方領土問題と国内問題を絡めるのは疑問だし、残念だ」と述べました。

そのうえで「日本政府はこの発言に対して静観せず、『いままでの外交交渉を尊重してもらわないと困る』と申し入れをしてもらいたい。政権が代わってから領土問題に対する発信力や熱意が伝わってこない。言うべきことは言い、聞くべきことは聞くというメリハリのある外交交渉をしてほしい」と述べました。