新型コロナ調査「懸念と疑問」中国に情報開示求める 米政府

WHO=世界保健機関が中国で行った新型コロナウイルスの調査をめぐり、アメリカ政府は「深い懸念と疑問がある」とする声明を発表し、中国に対して調査を妨げず、情報を開示するよう求めました。

日本を含む各国の専門家で作るWHOの調査チームは、先月29日から今月10日まで、新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて、中国・武漢で調査を行いました。

これについて、ホワイトハウスで安全保障問題を担当するサリバン大統領補佐官は13日、調査をめぐり「深い懸念と疑問がある」とする声明を発表しました。

声明では「調査の報告は、中国政府による介入や改ざんを受けない専門家の調査結果に基づき、独立したものでなければならない」と強調しました。

そのうえでサリバン補佐官は「中国は感染拡大の初期からのデータを利用できるようにしなければならない」として、中国に対してWHOにより多くのデータを開示すべきだと迫りました。

バイデン大統領は、ウイルスが中国の研究所から流出したというトランプ前大統領の主張には同調していないものの、ウイルスの発生源について中国が十分な情報を開示せず透明性を欠いているとして、強い不満を示した形です。

これに対して、アメリカにある中国大使館はホームページ上に報道官の談話を出し、「ここ数年のアメリカの行為こそWHOなどに深刻な損害を与え、ウイルス対策の国際的な協力を大きく損なった。いまさら何もなかったようにWHOやWHOを支持してきた国を名指しして批判しても世界の信頼は得られない」と厳しく批判しました。

そのうえで、「アメリカが真剣に責任を果たし、実際の行動でWHOの活動を支持し、国際協力に貢献してもらいたい」として、アメリカこそWHOや国際社会に協力すべきだと反論しました。