新型コロナ 改正感染症法の運用指針を自治体に通知 厚労省

新型コロナウイルスに感染した人が、入院を拒否した場合などに罰則を科せるとする改正感染症法。厚生労働省は、病室にトイレがないことや仕事を理由に入院に応じない場合などは罰則の対象になりえると自治体に通知しました。

13日施行された改正感染症法では、新型コロナウイルスに感染しても入院や宿泊療養などの要請に応じない人には自治体が入院を勧告し、正当な理由なく拒否した場合は「50万円以下の過料」を科せるなどとしています。

これを受けて、厚生労働省は運用の指針をまとめ、全国の自治体に通知しました。

「入院を拒否できる正当な理由」としては本人や家族に必要な介護や保育のサービスを確保できない場合や、別の病気の治療を受けられなくなる場合などを挙げています。

病室に風呂やトイレがないことや、入院中に喫煙できないこと、無線通信のWi-Fiサービスが使えないことなどは正当な理由にならないということです。

仕事についても同僚などに感染させるおそれがあり、仕事があることだけを理由に入院を拒否することは認めていません。

また保健所の調査でも、感染者が正当な理由なく虚偽の申告をしたり拒否したりした場合は「30万円以下の過料」を科すことができるようになります。

接触した人の名前や連絡先、訪問先などを全く答えない場合や、回答が矛盾して適切な説明をしない場合などが罰則の対象になるということです。

一方、認知症で回答する能力がなかったり、特定の場所を訪れた理由や接触した人との関係など、感染症を予防するうえで必要のない質問をされて回答しなかったりした場合は対象にならないとしています。

厚生労働省は「まずは感染拡大を防ぐために協力が必要なことを丁寧に説明し、理解を得ることが必要だ。罰則を科すかどうかは、私権の保護と公共の利益への影響のバランスを考慮して慎重に判断してほしい」としています。