イスラエル 新型コロナワクチン 接種対象を外国人に拡大

世界でも速いペースで新型コロナウイルスのワクチン接種が進むイスラエルでは、接種対象を外国人に拡大し、不法滞在であっても当局に通報せず無料で接種を受けてもらい、国内での感染拡大を抑え込もうとしています。

イスラエルでは去年12月中旬から新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まり、これまでに国民の4割にあたる376万人が1回目の接種を終え、このうちの239万人は2回目も終え、世界でも速いペースで進んでいます。

日本と同じような国民皆保険制度が導入されているイスラエルでは、国民であれば誰でも接種を受けることができますが、国内での感染拡大をさらに抑え込むため、多くの外国人が暮らすテルアビブ市では、今月9日から国内の保険に加入していないことが多い外国人に対象を拡大し、無料で接種できるようになりました。

市内の会場には、英語やアラビア語のほか、アフリカのエチオピアなどで使われる言語などの案内が掲げられ、難民申請をしているスーダンやガーナの人たちが接種に訪れていました。

市によりますと、パスポートなどの本人であることを証明できる書類があれば無料で接種を受けることができ、在留資格がなくても当局には通報しないということです。

接種に訪れたスーダン出身の男性は「新型コロナウイルスに感染するのではないかと、ずっと怖かった。自分自身を守るためにワクチンを接種しました」と話していました。

接種を担当するテルアビブ市のエイタン・ハロンさんは「在留資格の有無に関係なく、イスラエル国民と同じように、外国人労働者や難民申請中の人たちも含めて国内に住むすべての人たちがワクチンを接種することが重要だと思う」と意義を強調しました。