新型コロナ 兵庫県が精神科病院に専門の看護師派遣 研修を強化

兵庫県は、複数の精神科病院で新型コロナウイルスのクラスターが相次いだことを受け、県内の精神科病院に専門の看護師を派遣して感染対策の研修を強化しています。研修を担当する看護師がNHKの取材に応じ、精神科病院での対策の難しさを語りました。

兵庫県内では複数の精神科病院でクラスターの発生が相次ぎ、県は、すべての精神科病院に感染症対策の専門知識を持つ看護師を派遣し、研修を強化しています。

こうした中、研修を担当する看護師の1人で、みずからも精神科病院に勤める森田亮一さんがNHKの取材に応じました。

森田さんは「精神科病院では、病気の特性上、なかなか、患者に手を洗ったりマスクをつけたりしてもらいにくく、感染対策への協力が得られない」と述べ、意思疎通の難しい患者がいることで感染防止が難しい実情を語りました。

また、精神科病院ではグループワークによる作業療法などで密になる機会が多いことも、感染が拡大する原因ではないかと指摘しました。

さらに患者が誤飲するのを防ぐため部屋や廊下に消毒液を設置するのが難しいことや、水を大量に飲んだり人にかけたりする患者がいるため病院職員の目の届かないところに手洗い場を設置できず、感染予防も不十分になりがちだといいます。

森田さんは医療スタッフが消毒液を常に持ち運んで対応していることなど、厳しい現状を説明したうえで、感染が広がりやすい精神科病院の特性を踏まえた対策を検討する必要があると訴えました。