森会長 辞任表明 海外メディアも速報で伝える

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長が会長職を辞任する考えを明らかにしたことについて、海外メディアも速報で伝えています。

ロイター通信は「大会まで数か月しか残されていない中での森氏の辞任は、パンデミックのさなかに大会を行おうとしている主催者への信頼を損なうものだ」と伝えました。

AP通信は「森氏の発言は、政財界での女性の進出が進んでいる先進国に比べて、日本がどれほど遅れているかにスポットライトを当てることになった。森氏の発言をめぐって、批判が収まることはなかった。後任に、自身よりも年上の男性を選んだと伝えられたことで、なぜ女性ではないのかという疑問が提起された」と伝えています。

アメリカの有力紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「オリンピックが延期されたことと、新型コロナウイルスへの対策のため、さらなる出資が必要となった。こうしたことに森氏の発言が加わり、大会についての人々の感情をさらに悪化させた」と伝えています。

フランスの有力紙フィガロは、「森氏は女性差別的な発言がメディアから集中砲火を浴びて辞任に追い込まれた。森氏の問題は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となり、ただでさえ機運の盛り上げに苦労している組織委員会にとって、新たな悩みの種になっている」と指摘しました。

中国国営の新華社通信は「森氏の辞任は東京オリンピック・パラリンピックにとっていわば弱りめにたたりめだ。組織委員会はできるだけ早く新しい会長を選出し、事態を安定させる必要がある」と伝えています。

韓国の通信社、連合ニュースは「森会長は、発言について謝罪しながらも会長職にはとどまるという立場だったが、国内外で批判が沸騰すると、結局、辞任することになった」と伝えています。

米テレビ局 NBC「性差別の問題を浮き彫りに」

森会長の辞任表明について、アメリカのテレビ局、NBCは「新型コロナウイルスへの不安によって、すでに傷つけられた多くの難問を抱える大会に新たな打撃を与えた」とし、森会長の後任が不透明な中、組織委員会は世界中の選手やファンに安全な環境を提供できることを示さなければならず、厳しい状況に置かれているとしています。

さらに、今回の森会長の発言について「日本の保守的で男性中心のエリート層の間に残る性差別の問題を浮き彫りにした」としたうえで、日本で指導的な立場に占める女性の割合は、先進国で最も低い15%にとどまっているというデータも紹介しています。

NBCは東京大会のほか、2032年までに開催される夏と冬のオリンピックをアメリカ国内で独占的に中継できる契約をIOC=国際オリンピック委員会と結んでいて、その巨額の放送権料はIOCにとって大きな収入源になっています。

11日には、サッカー男子のアメリカ代表選手でもあった大学教授の論説記事を掲載し「日本においてもオリンピックムーブメントにおいても長年、性差別が続いてきて、森氏はそれが世界に見えるようにカーテンを開けただけだ。性差別的な発言のために誰かが辞めるとすれば今だ」として、森会長は辞任すべきだと主張していました。