新型コロナワクチン 来週半ばに医療従事者への先行接種開始

アメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンが、12日午前、成田空港に到着しました。
ワクチンは、有効性などが確認されれば14日にも国内で初めての新型コロナウイルスのワクチンとして正式に承認され、医療従事者への先行接種が始まります。

まもなく先行接種開始 今後のスケジュールは

厚生労働省が想定しているスケジュールによりますと、来週半ばに1万人から2万人程度の医療従事者に先行して接種を開始します。

先行接種が行われるのは、国立病院機構など全国の合わせて100の病院で、同意が得られた20歳以上の医師や看護師などが対象となります。

続いて来月中旬をめどに、残るおよそ370万人の医療従事者に、4月からは65歳以上の高齢者、およそ3600万人を対象に接種を始めたいとしています。

その後は、基礎疾患のある人およそ820万人や高齢者施設などの職員およそ200万人などを優先しながら、順次、接種を進める方針です。

政府は、優先接種の対象となる医療従事者について、患者に頻繁に接する機会のある医師やそのほかの職員のほか、薬剤師や、患者を搬送する救急隊員、さらに海上保安庁や自衛隊の職員なども含むとしています。

ワクチンの接種会場は

新型コロナウイルスのワクチンは、医療機関や自治体が設ける会場で接種が行われます。

自治体が設ける接種会場は、地域の公民館やスポーツ施設、それに学校の体育館などが検討されていて、文部科学省は全国の教育委員会に対し、体育館などを使用したいと要望があった場合は、積極的に協力するよう通知しています。

また、一定の要件を満たした高齢者施設でもワクチンの接種が行われる見通しです。

一方、ワクチンを接種する体制は、自治体などが検討や準備を進めています。

接種を行うのは、医師または看護師や准看護師とされ、自治体などが必要な人手の確保を目指していますが「いつどれくらいのワクチンが届くのか、供給スケジュールが示されないと、具体的な準備を進められない」という声もあがっています。

ワクチン接種は原則「住民票の登録地」で

新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けるために必要なのが、クーポン=接種券です。

厚生労働省によりますと、まず高齢者にクーポンが配られ、その後、それ以外の人に配布されます。

このクーポンには名前や管理番号などが記載されていて、ワクチンの接種会場に持って行けば、無料で接種を受けることができます。

接種は原則として、住民票を登録している市町村で受けることになりますが、やむをえない事情がある場合は、それ以外の市町村でも受けることができます。

具体的には、出産のために帰省している妊産婦、単身赴任している人、下宿している学生、DV=ドメスティック・バイオレンスやストーカー行為、それに児童虐待などの被害者、入院・入所している人、基礎疾患のある人が主治医のもとで接種する場合、災害の被害にあった人、勾留・留置されている人、受刑者、このほか、市町村長がやむをえない事情があると認めた人とされています。

住民票の登録地以外での接種を希望する場合は、原則として、接種の対象になっている期間中に、希望する市町村に対し事前に届け出を行う必要があります。

契約済みのワクチンは1億5700万人分

新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は欧米の製薬会社3社から、合わせて1億5700万人分の供給を受ける契約を結んでいます。

このうちアメリカの製薬大手ファイザーからは、年内に7200万人分の供給を受ける契約です。

また、イギリスの製薬大手アストラゼネカからは6000万人分、アメリカの製薬会社モデルナからはことし9月までに2500万人分の供給を受ける契約を結んでいます。

いずれのワクチンも1人につき2回の接種が必要となります。

ファイザー以外のワクチンをめぐっては、アストラゼネカが今月5日に厚生労働省に対し承認を求める申請を行い、モデルナは国内で治験を進めています。

ワクチンの保管と運搬の方法は

ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンは、専用の冷凍庫を使ってマイナス75度前後で保管されます。

そして、必要に応じて接種を行う診療所などに冷蔵した状態で輸送します。

厚生労働省は、今月10日にワクチンを輸送する際の新たな指針をまとめ、冷凍せずに輸送する場合は、ワクチンが入った容器を国が用意した保冷バッグに入れて固定し、輸送にかける時間は原則、3時間以内、離島に運ぶ場合などでも12時間以内としています。

一部の自治体では、輸送にバイクを使用する検討も行っていましたが、解凍したワクチンに振動を与えると品質や有効性が低下するおそれがあるとして、バイクや自転車の利用を避けて、安定した状態で運搬するよう求めています。