ノーベル文学賞 大江健三郎さんの自筆原稿 母校の東大に寄託

日本人として2人目のノーベル文学賞作家、大江健三郎さんの1万枚を超える自筆原稿などが、母校の東京大学に寄託され、大学は今後、寄せられた資料をもとに、学内に研究拠点を設置することにしています。

大江健三郎さんは、昭和30年代から戦後の日本文学界をリードして国際的にも高く評価され、平成6年には、川端康成に次いで日本人で2人目となるノーベル文学賞を受賞しました。

東京大学によりますと、今回寄託されたのは、出版社や大江さんの自宅に保管されてきた1万枚を超える自筆原稿や、本の出版過程で校正に使われた「ゲラ」などおよそ50点で、先月21日に寄託の契約が結ばれたということです。
このうち自筆原稿は小説の原稿が大半で、昭和32年に発表され、芥川賞の候補作となった「死者の奢り」などの初期作から、中期に書かれた『同時代ゲーム』や『「雨の木」を聴く女たち』などの代表作、それに近年の作品まで含まれ、現在知られている最終稿とは異なる表現など、推こうのあとがうかがえます。

大学によりますと、大江さんの自筆原稿などがまとまった形で公的機関に寄せられるのは初めてだということです。

東京大学文学部では今後、資料を管理する施設を学部内に設け、大江作品を中核とした日本の近現代文学の研究拠点として運営したいとしています。