WHO調査団 日本の研究者が帰国 「中国側からかなりの情報」

新型コロナウイルスの発生源などの解明に向け、WHO=世界保健機関の調査チームのメンバーとして中国 武漢で調査を行った国立感染症研究所の研究者が10日夜帰国し、NHKの取材に対して「中国側からはかなり情報をもらえた」と現地調査の状況を話しました。

日本を含む各国の専門家で作るWHOの調査チームは先月29日から武漢で本格的な調査を進めてきましたが、9日、現地で記者会見を開いて、アメリカのトランプ前政権が主張していた「武漢ウイルス研究所」からウイルスが流出した可能性について、「極めて考えにくい」などと説明しました。

これについて現地での活動を終えて10日夜帰国した、調査チームのメンバーで国立感染症研究所の前田健獣医科学部長が成田空港でNHKの取材に応え、今回の調査について「中国側からは新しいデータを出してもらい、実際の研究所の視察もできたので、かなり情報を出してもらえたが、1年たっているというのが少し残念に感じている」と述べました。

また武漢の研究所からウイルスが漏れ出した可能性については「かなり可能性が低いというのがみんなの一致するところだ。動物などのほうが可能性が高いだろうというのが今回のまとめだと思う」と話しました。

そのうえで、ウイルスがどこから来たかについては今後も調査が必要だという見解を示しました。