緊急事態宣言 一時金の対象となる事業者は 申請の方法は

経済産業省は、緊急事態宣言に伴い営業時間を短縮した飲食店の取引先などに支給する一時金について、対象となりうる事業者や申請の方法を発表しました。不正受給を防ぐために、申請の前に第三者による事業者の営業実態を確認するも行われます。

緊急事態宣言の地域で営業を短縮した飲食店との間で取り引きがある業者や、外出自粛の直接的な影響を受けた事業者には、
▽中堅・中小企業の場合は、最大60万円、
▽個人事業主の場合は、最大30万円が支給されます。

経済産業省によりますと、このうち飲食店との取引先として、
▽総菜の製造業者や酒造業者、
▽食器や調理器具を販売する事業者、
▽清掃事業者などのほか、
▽業務用スーパーや問屋、農協や漁協などの流通関連の事業者や
▽そこに食材を納入する農業者や漁業者などの生産者も対象となりうるとしています。

一方、外出自粛の直接的な影響を受ける事業者としては、
▽タクシーやバスなどのほか、
▽ホテルや旅館、それに
▽土産物店やアパレルショップなどの小売店、
▽旅行代理店やイベント事業者などが挙げられるとしています。

支給を受けるには、先月から来月までのいずれかの月の売り上げが、去年またはおととしの同じ月と比べて50%以上減少することが条件です。

また、持続化給付金を不正に受け取るケースが相次いだことから、申請の前に税理士や行政書士などの第三者で作る「事業確認機関」が事業者の営業実態を確認する手続きも行われます。

一時金の申請は、来月初めから受け付けられる予定です。

対象となる事業者は

緊急事態宣言の地域で営業を短縮した飲食店との取引先になりうるとして経済産業省が公表した事業者の例です。

まず
▽飲食店と取り引きのある食品の加工・製造事業者として総菜の製造業者、食肉処理・製品業者、水産加工業者、飲料加工事業者、酒造業者などを挙げています。

▽器具・備品の事業者として、食器や調理器具のほか店舗の備品や消耗品を販売する事業者、
▽サービス事業者として、接客サービス業者、清掃事業者、廃棄物処理業者などを挙げています。

さらに
▽商品を卸す業務用スーパー、卸・仲卸会社、問屋、農協・漁協などが対象になるほか
▽そこに食材を納入する農業者や漁業者なども対象に含まれるとしています。

一方、外出自粛の直接的な影響が考えられる事業者として、
▽タクシーやバス、運転代行などのほか
▽ホテルや旅館、
▽映画館やカラオケ、文化施設、公衆浴場などを挙げています。

このほか、
▽土産物店や雑貨店、アパレルショップなどの小売店、
▽旅行代理店やイベント事業者、理容店、美容店、クリーニング店、マッサージ店なども挙げています。

また、こうした事業者に商品やサービスを提供する
▽食品・加工製造事業者や▽清掃事業者のほか
▽業務委託契約を結んでいるタクシードライバーやバスガイド、イベントの出演者なども対象になるとしています。

いずれも地域的な制限はありません。

一方、
▽公共法人、
▽風俗営業法上の性風俗関連として届け出義務のある業者、
▽政治団体、
▽宗教法人は対象外となります。

申請前に営業実態の確認も

事業者が一時金を申請する際の流れです。

申請の前に税理士や行政書士、地方銀行や商工会議所などで作る「事業確認機関」が、事業者の営業実態を確認する手続きが行われます。

これは、営業実態がないにもかかわらず持続化給付金を不正に受け取るケースが相次いだことを踏まえた対応です。

営業の実態があるかや制度を正しく理解しているのかをテレビ会議や対面などで確認し、認められた事業者は「事業確認通知」と呼ばれる番号を受け取ります。

そのうえで申請する事業者は
▽時短営業をした飲食店と取り引きがあることや
▽緊急事態宣言の対象地域に顧客がいることを示す書類などの保存が求められます。

申請はウェブサイト上で行われ、売り上げの減少を証明する確定申告書や売り上げ台帳のほか本人確認書類や宣誓書などを提出します。

一時金の申請は、来月初めから受け付けられる予定です。