中国 アメリカもWHOの調査を受け入れるべきだとけん制

WHO=世界保健機関の調査チームが中国・武漢での活動を終えたことを受けて、中国外務省は、武漢で感染が拡大する前にも世界各地で新型コロナウイルスの感染例が見つかっていたとする研究もあると指摘し、中国が発生源だと主張してきたアメリカも調査を受け入れるべきだと、けん制しました。

新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて中国・武漢を訪れていたWHOの調査チームのメンバーは、先月から武漢で行っていた調査を終え、10日、帰国の途につきました。

調査チームは、アメリカのトランプ前政権が主張していた、武漢にある研究所からのウイルスの流出について可能性は低いとしており、アメリカ政府は調査結果を検討するとしています。

これについて、中国外務省の汪文斌報道官は、10日の記者会見で「発生源をめぐる今回の協力は、WHOが地球規模で行う研究の一部を中国で行ったものだ」と重ねて指摘しました。

そのうえで、武漢で感染が拡大する前の2019年の後半から、アメリカを含む世界各地で新型コロナウイルスの感染例が見つかっていたとする研究や報道もあるとして「アメリカも中国と同じように、開放的で透明な姿勢でWHOの調査チームを受け入れ、調査を行うよう希望する」と述べ、中国が発生源だと主張してきたアメリカを逆にけん制しました。