離れた場所から心拍数など計測 京都大学などのグループが開発

人の呼吸や心拍数を離れた場所から計測できるセンサーを京都大学などのグループが開発しました。新型コロナウイルスに感染した患者が重症化するきざしを捉えることにも活用できるのではないかとしています。

京都大学や京都市の医療機器ベンチャーなどのグループが10日、会見を開いて発表しました。

開発されたセンサーは、ミリ波レーダーと呼ばれる高い周波数の電波を活用しています。センサーから7メートルほど離れていても、人の肌の表面の数ミリ以下のわずかな動きをとらえて、呼吸の間隔や心拍数を計測することができるということです。

一度に計測できる人数に制限はなく、電波は布類を通り抜けることから服を着ていたり、ふとんをかけていたりしても肌の動きを読み取れると説明しています。

グループは、眠っている乳幼児の窒息事故の防止や、お年寄りの見守りなどに活用が期待できるとしています。

また、新型コロナウイルスに感染した患者は、呼吸の間隔が短くなることが重症化のきざしと考えられていることから、自宅やホテルで療養する人の症状の把握にも活用できるのではないかとしています。

京都大学大学院工学研究科の阪本卓也准教授は、「本人が意識しなくても見守ってくれるしくみが、今後、当然のインフラとして広がっていくことに期待したい」と話していました。