森会長発言 ボランティア辞退 500人超 聖火リレーのランナーも

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の女性蔑視と取れる発言などを受けて、大会を支えるボランティアを辞退する動きが広がり、10日までに少なくとも500人を超えているほか、聖火リレーのランナーを辞退する人も出始めています。

聖火ランナーでは、3月25日に全国に先駆けて始まる福島県で選ばれていた57歳の男性が、組織委員会や国などが森会長を擁護しているのは納得がいかないとして、参加辞退を申し入れていたことがわかりました。

組織委員会によりますと、8日までに、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さんを含め2人が辞退したということで、森会長の発言に関連した聖火ランナーの辞退者は少なくとも3人となっています。

このほか、大会の運営を支えるボランティアをめぐっても、自治体が採用し、観客らに交通や観光の案内をする都市ボランティアを辞退する動きが広がっています。

10日までに最も多い東京都で少なくとも126人、千葉県で12人、埼玉県で10人などと7つの自治体であわせて155人から辞退の連絡がありました。

また、主に選手村や競技会場で活動する大会ボランティアについても、組織委員会は8日の時点でおよそ390人が参加を辞退していることを明らかにしており、大会に関わるボランティアの辞退を申し出た人は少なくとも500人を超えています。

聖火ランナー辞退した坪倉さん「日本の考え 変えねば」

福島県の聖火ランナーの参加辞退を申し入れた坪倉新治さんは、「組織として森会長を擁護している雰囲気があり、国際社会にも納得してもらえないと思いました。聖火リレーで走ることをとても楽しみにしていましたが、自分の夢と引き換えにしても日本の考えを変えていかなければならないと思い、辞退を申し入れました。森さんを含め、オリンピック組織委員会が国際社会におわびする形で、我々は変わっていくという姿を日本として見せてもらい、きちんとしたメッセージを出してほしい」と話していました。

専門家「多様な人々の意見 取り入れる体制 示していく必要」

オリンピック・パラリンピックの歴史や理念などに詳しい、筑波大学の真田久教授は、「ジェンダーや障害のあるなし、文化や習慣の違い、国籍などいろんな違いを認め合って、平和な社会を目指すという大会の理念に逆行した発言で、特に研修などを通じて多様性の大切さを学んできたボランティアの方々にとっては許せない発言だったと思う。こうした状況を招いたことはゆゆしき事態だ」と指摘しています。

そのうえで今後について、「森会長の進退の議論で終わらせるのではなく、ここからどのように日本のスポーツ界や社会を変えていくのか、具体的に示せるかどうかが大事だ。例えば組織委員会のジェンダーバランスの改善や、多様な人々の意見を取り入れるための体制などを示していく必要があり、それができなければ今回の大会を開催する意義がなくなってしまうという危惧を感じる」と話していました。

都募集の「都市ボランティア」辞退 少なくとも126人に

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の発言をうけて、ボランティアの辞退が相次ぐなか、東京都が募集した「都市ボランティア」を辞退する人は、10日午後5時までに100人を超え、少なくとも126人になりました。

都には抗議や意見の電話とメールも相次いでいて、9日午後5時から10日午後5時までに新たに285件寄せられ、これまでに合わせて1690件になったということです。