東京女子医大「自粛要請違反のコロナ感染の休業は無給」の方針

東京女子医科大学が先月、職員に対し、学内の自粛要請に違反するなどして新型コロナウイルスに感染した場合、休業中は無給とするなどの方針を示していたことが分かりました。
これに対し大学の労働組合は10日、撤回を求める要請書を大学側に提出しました。

東京女子医科大学が1月29日に職員に宛てた文書では、新型コロナウイルスに感染したり、濃厚接触者に認定されたりして休業した場合や、発熱などで自宅待機を命じられた場合に、大学からの自粛要請への違反や明らかに不適切な行為が原因だったときには、期間中の給与を無給にするとしています。

また文書では、「医科大学で勤務する職員は、健康な状態で労働を提供する義務があり、感染などを理由とした休業は債務不履行にあたる」などと記載されていました。

これに対し、大学の労働組合は10日、ウェブページで大学側に方針の撤回を求める要請書を提出したことを明らかにし、「『懲罰』と取れる規定の変更は到底受け入れられない。自粛要請への違反の認定や判断基準もあいまいで、教職員が不安と疑問を感じるのは当然だ。規定の変更を、労働組合に何の提起もないまま、一方的に進めたことも大きな問題だ」などとする見解を掲載しました。

大学によりますと、感染対策として教職員に対し、マスクの着用や、大人数での会食やカラオケの自粛を要請していて、さらに先月からはゴーグルなどの感染防護具の着用や、食事を原則として1人でとることなどを要請をしているということです。

8日、大学はNHKの取材に対し、「医療機関としての社会的責任を果たすべく、通常の企業よりも厳格な感染症対策を行っている。学内の感染症対応は、本学が責任を持って行うことで関連する質問への回答は控える。感染だけを理由に無給とするわけではない」とコメントしていました。