変異ウイルス 全国で海外滞在歴ない13人感染確認 クラスターも

イギリスと南アフリカで感染が広がっている変異した新型コロナウイルスに、全国で合わせて13人が感染していたことが新たに確認されました。このうち11人は同じ施設を利用した職場の関係者で、厚生労働省はクラスターが発生したと見ています。また、6つの県では初めて感染が確認されたということです。

厚生労働省によりますと、変異ウイルスへの感染が確認されたのは、9つの県に住む20代から50代までの男女合わせて13人です。

このうち、栃木県と茨城県では50代の男性、福島県では30代の男性、長野県では20代の男性、新潟県では30代の男性、群馬県では40代の男性の感染が、それぞれ確認されました。これらの県で、検疫の検査以外で変異ウイルスへの感染が確認されたのは初めてです。また、埼玉県の40代の男性と、静岡県の20代から30代の男性3人、それに神奈川県の30代の男性が感染していたことも新たに分かりました。これらの11人は、いずれも同じ施設を利用した職場の関係者だということです。全員、海外に滞在歴はなく、厚生労働省はクラスターが発生したと見て感染経路を調査するとともに、合わせて29人の濃厚接触者についても感染していないか調べています。

このほか、神奈川県では海外に滞在歴がない40代と50代の男女から南アフリカで感染が広がっている変異ウイルスが検出されました。2人は、すでに変異ウイルスの感染が確認されていた女性の濃厚接触者だということです。

これで国内で変異ウイルスへの感染が確認されたのは、空港の検疫も含めて、合わせて105人となりました。

厚労省「感染のつながりは把握」

厚生労働省は「変異ウイルスへの感染が感染された人は増えているが、感染のつながりは把握できていて、感染源が分からない事例が増え続けている状況ではない。調査を続けて状況を注視する必要がある」としています。