日産とホンダ 今年度の販売台数を引き下げ 半導体不足の影響で

日産自動車とホンダは、世界的な半導体不足の影響で2020年度の販売台数の見通しをそれぞれ引き下げることを明らかにしました。

日産“販売台数見通し15万台引き下げ”

このうち日産自動車は、2020年度の販売台数の見通しを15万台引き下げると明らかにしました。

日産自動車は9日、ことし3月までの2020年度の販売計画を見直し、グループ全体の販売台数を401万5000台とこれまでの計画から15万台引き下げました。

会社は新型コロナウイルスの感染が再拡大した影響に加えて、世界的な半導体不足で需要に見合った生産が難しくなったためだとしています。

半導体不足をめぐっては、SUBARUやマツダも計画よりも生産を減らす減産に踏み切っていて、自動車メーカーの間に影響が広がっています。

一方、日産はコストの削減が想定以上に進んでいるとして2020年度の最終的な損益の見通しを、6150億円の赤字から5300億円の赤字に修正しました。

オンラインで記者会見した日産の内田誠社長は「半導体不足の影響を最小限に抑えることに力を入れる。新型コロナウイルスの影響など当面は厳しい状況あるものの、コスト削減と新型車の投入で利益を出せるようにしたい」と述べました。

ホンダ“販売台数見通し10万台引き下げ”

また、ホンダも世界的な半導体不足を受けて、2020年度の販売台数の見通しをこれまでより10万台引き下げることを明らかにしました。

ホンダは9日、ことし3月までの2020年度の販売計画を見直し、グループ全体の販売台数を10万台引き下げて450万台にすると発表しました。

世界的な半導体の不足を受けて主力の小型車や軽自動車向けの部品が足りず、先月以降減産した結果、販売台数も減ることになったとしています。

ただ新型コロナウイルスの影響で新車発表のイベントに例年ほど費用がかからず研究開発の費用も抑えていることから、2020年度の最終利益はこれまでより750億円多い、4650億円に上方修正しました。

オンラインで記者会見した倉石誠司副社長は半導体不足の見通しについて「半導体メーカーの増産などで影響は緩和していて、ことし前半には解消する見込みだ。今回の事態を踏まえて在庫の持ち方の見直しも検討したい」と述べました。