資生堂 116億円の赤字決算 外出自粛や外国人旅行者大幅減で

化粧品大手「資生堂」の去年1年間の決算は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出の自粛や外国人旅行者の大幅な減少で売り上げが前の年より18%減り、最終的な損益は116億円の赤字となりました。

「資生堂」が9日発表した去年1年間のグループ全体の決算は、売り上げが前の年より18.6%減少して9208億円、最終損益は116億円の赤字でした。赤字になるのは2013年3月期以来です。

新型コロナウイルスの感染拡大による外出の自粛に加え、収益の柱となっていた外国人旅行者向けの売り上げが激減したためです。

また海外市場は中国が上向いたものの、欧米が振るわず業績を下押ししました。

資生堂は、マスクを着けた生活が続くことを視野にいれて、肌荒れを防ぐスキンケア用の化粧品などを強化するほか、オンラインを活用した広告宣伝などを積極的に行ってことし1年間の業績については、115億円の最終利益を見込んでいます。

資生堂の魚谷雅彦社長はオンラインの会見で「今後、スキンケア事業はかなり回復していくと考え、ことしは成長のためにデジタル分野の投資を積み重ねていく」と述べました。