ファイザーワクチン 1容器からの採取5回分 供給に影響おそれも

アメリカの製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、これまで1つの容器で6回の接種を予定していましたが、用意した注射器では5回分しか採取できないことを明らかにしました。ファイザーは1つの容器で6回の接種を前提にしているため、今後のワクチンの供給などに影響が出るおそれもあります。

日本政府は、ファイザーとの間で年内に7200万人分、回数にして1億4400万回分のワクチンの供給を受ける契約を交わし、今月12日に専門家でつくる部会を開いて承認の可否を判断する方針です。

厚生労働省によりますと、ファイザーが1つの容器で6回の接種を行う方針を示していたのに対し、これまでに用意した注射器では、5回分しか採取できないことが分かったということです。

6回分を採取するためには別の注射器が必要で、十分な数を確保できるめどは立っていないとしています。

このため、厚生労働省は、全国の自治体に対して、1つの容器から採取するワクチンを5回分に変更するよう近く通知する方針です。

厚生労働省は、ファイザーから供給されるワクチンについて、接種の回数で契約しているということですが、必要になるワクチンの総量が増えることで、今後の日本への供給に影響が出るおそれもあります。

ファイザーからは去年12月に「6回の接種を検討している」と連絡を受け、先月になって正式に方針を伝えられたということです。

厚生労働省は今後のワクチンの供給について、すでにファイザーと交渉を始めていて、「現時点では供給への影響についてコメントできない」としています。