南ア変異ウイルスへのワクチン効果 より多くのデータで分析を

イギリスの製薬大手アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンに関して、南アフリカで確認された変異ウイルスでは効果が限定的だという見方が出ていることに対し、WHO=世界保健機関はより多くのデータで詳しく分析する必要があるという認識を示しました。

イギリスのアストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンに関して、南アフリカ政府は初期段階の臨床試験の結果、南アフリカで確認された変異ウイルスでは軽度から中程度の症状を防ぐ効果は低い可能性があるとして、近く始める予定だった接種を一時的に見合わせると発表しました。

これに関してWHOのテドロス事務局長は8日の記者会見で「非常に心配なニュースだ」と述べました。

一方で主任科学者のスワミナサン氏は「全く効果がないと結論づけるべきではない。まだ数少ない研究のデータしか見ておらず、より多くのデータを集め研究を重ねなければならない」として、詳しく分析する必要があるという認識を示しました。

WHOなどが立ち上げたワクチンを分配する国際的な枠組みでは供給計画の大半はアストラゼネカなどが開発したワクチンに頼っていて、WHOでは変異ウイルスへの効果も慎重に見極める方針です。