今回、取材に応じたのは都内に住む50代の男性です。
ずっと一緒に暮らしてきた90歳の父親を新型コロナウイルスで亡くし、自身も感染して症状が悪化しました。
「父親が 自分が 次々に感染」経験者が語るコロナの恐ろしさ
1月以降、新型コロナウイルスに感染して死亡する人が急増し、毎日100人前後の死亡が発表されています。こうした中、1月、新型コロナで父親を亡くし、自身も感染した男性がNHKの取材に応じました。「感染者が減ってきている今だからこそ、コロナの恐ろしさを知ってほしい」と自身の経験を語りました。
男性は妻と父親の3人暮らし。
父親は持病も無く、穏やかな性格で、絵を描くことや歌うことが好きでした。
ただ、父親が高齢であることと、男性自身もぜんそくの持病があり、家族全員がコロナに対して細心の注意を払ってきたといいます。
外出時のマスク着用はもちろん、自宅でもアルコール消毒をこまめに行ってきました。
そうした中、去年の年末から父親に微熱が続きました。
食欲も落ちたためかかりつけ医に相談したうえで、薬を飲ませて様子をみていたといいます。
本人には目立った自覚症状もなく「息苦しさもなく大丈夫だ」と話していたということです。
ところが、年が明けた1月3日に、突然、38度の高熱が出ました。
男性はコロナを疑い、かかりつけ医に連絡。
肺の画像を撮ると両方が白くなっていて、そのまま入院しました。
PCR検査を受けた結果、感染が確認されました。
父親はふだん介護施設に通っていて、そこで感染した可能性があるということです。
入院直後は酸素マスクをつけた状態ながらまだ話せる状態でした。
リモートで面会した男性が「頑張って帰ってきて」と声をかけると「そっちは大丈夫か?」と逆に気遣ってくれたといいます。
男性と妻はふだんから自宅で父親を介護していて、濃厚接触者となったためPCR検査を受けました。
しかし、その時はいずれも陰性。
男性は念のため仕事を休んで自宅で待機していましたが、1月中旬になって突然、発熱しました。
そして2回目の検査を受け、今度は陽性となりました。
家庭内で父親から感染したとみられています。
父親は持病も無く、穏やかな性格で、絵を描くことや歌うことが好きでした。
ただ、父親が高齢であることと、男性自身もぜんそくの持病があり、家族全員がコロナに対して細心の注意を払ってきたといいます。
外出時のマスク着用はもちろん、自宅でもアルコール消毒をこまめに行ってきました。
そうした中、去年の年末から父親に微熱が続きました。
食欲も落ちたためかかりつけ医に相談したうえで、薬を飲ませて様子をみていたといいます。
本人には目立った自覚症状もなく「息苦しさもなく大丈夫だ」と話していたということです。
ところが、年が明けた1月3日に、突然、38度の高熱が出ました。
男性はコロナを疑い、かかりつけ医に連絡。
肺の画像を撮ると両方が白くなっていて、そのまま入院しました。
PCR検査を受けた結果、感染が確認されました。
父親はふだん介護施設に通っていて、そこで感染した可能性があるということです。
入院直後は酸素マスクをつけた状態ながらまだ話せる状態でした。
リモートで面会した男性が「頑張って帰ってきて」と声をかけると「そっちは大丈夫か?」と逆に気遣ってくれたといいます。
男性と妻はふだんから自宅で父親を介護していて、濃厚接触者となったためPCR検査を受けました。
しかし、その時はいずれも陰性。
男性は念のため仕事を休んで自宅で待機していましたが、1月中旬になって突然、発熱しました。
そして2回目の検査を受け、今度は陽性となりました。
家庭内で父親から感染したとみられています。
男性はぜんそくや高血圧の持病があり、高熱が続いていたため、父親と同じように入院を希望しましたが、病床がひっ迫していてホテル療養となりました。
ホテルに移ってからもなかなか熱が下がらず、せきやけん怠感は逆にひどくなりました。
ホテルに移ってからもなかなか熱が下がらず、せきやけん怠感は逆にひどくなりました。
症状がいつ悪化するかわからない恐怖を常に感じていたといいます。
ホテルに入った当日、突然、携帯電話に病院から連絡が入りました。
父親が死亡したという知らせでした。
父親は入院後症状が悪化して意識の無い状態が続き、搬送からおよそ2週間後に亡くなりました。
男性はホテルで療養中のため父親の元に駆けつけることはできません。
50年、一緒に暮らした父親の最期をみとることも、遺体に対面することも、かないませんでした。
父親がコロナに感染していることがわかってから覚悟はしていたという男性。
しかし、突然の死を受け入れきれず、その日の夜は、ほとんど眠れなかったといいます。
男性は父親の死を知らされた翌日、NHKの電話取材に応じ「父親の死についてはまだ実感がありませんが最期をみとってあげられず、涙が出てきました。私自身も感染しているので、症状が悪くなったらどうしようとか、急変した時にちゃんと入院できるのかとか、不安がつきません」と話していました。
ホテルに入った当日、突然、携帯電話に病院から連絡が入りました。
父親が死亡したという知らせでした。
父親は入院後症状が悪化して意識の無い状態が続き、搬送からおよそ2週間後に亡くなりました。
男性はホテルで療養中のため父親の元に駆けつけることはできません。
50年、一緒に暮らした父親の最期をみとることも、遺体に対面することも、かないませんでした。
父親がコロナに感染していることがわかってから覚悟はしていたという男性。
しかし、突然の死を受け入れきれず、その日の夜は、ほとんど眠れなかったといいます。
男性は父親の死を知らされた翌日、NHKの電話取材に応じ「父親の死についてはまだ実感がありませんが最期をみとってあげられず、涙が出てきました。私自身も感染しているので、症状が悪くなったらどうしようとか、急変した時にちゃんと入院できるのかとか、不安がつきません」と話していました。
不安の中 遺骨で戻った父 ことばにならないほどつらい
一時期、意識がもうろうとする中でホテル療養を続けていた男性は、その後、何とか症状が改善していきました。
男性は6日間、ホテルで療養し「ほかの人に感染を広げるおそれはなくなった」とされ、1月下旬に自宅に戻りました。
ただ、せきやめまいは続いていたため、再び症状が悪化したり妻にウイルスをうつしてしまったりするのではないか、常に不安を感じていたといいます。
自宅に戻ってから5日後、父親の遺骨が火葬場から届きました。
入院した際に「頑張って」と声を掛けてから、わずか半月で命を奪われ、遺骨になって戻ってきた父親。
男性は死に目に会えなかったことが何より悔やまれると感じています。
男性は6日間、ホテルで療養し「ほかの人に感染を広げるおそれはなくなった」とされ、1月下旬に自宅に戻りました。
ただ、せきやめまいは続いていたため、再び症状が悪化したり妻にウイルスをうつしてしまったりするのではないか、常に不安を感じていたといいます。
自宅に戻ってから5日後、父親の遺骨が火葬場から届きました。
入院した際に「頑張って」と声を掛けてから、わずか半月で命を奪われ、遺骨になって戻ってきた父親。
男性は死に目に会えなかったことが何より悔やまれると感じています。
遺骨を受け取った男性は「火葬も立ち会えず骨になって帰ってくるのを待っているだけ。ことばにならないほどつらい。新型コロナで高齢者は本当に死んでしまう。どんな状態でも長生きしてほしかったです」と話していました。
父親がいつも使っていたベッドやいす、それに大好きだった帽子や洋服はそのままいつもの場所に残してあります。
新型コロナウイルスは死に至る恐ろしいウイルスであることを改めて思い知らされたという男性。
どれだけ感染対策をしていても、いつ誰が、どのような形で感染するかわからず、決して甘く見ずに最大限の警戒を続けてほしいと訴えています。
男性は「私自身もコロナは怖い病気だと思い注意していたが、まさか、このようなことになるとは思っていませんでした。わずか1か月で、あっという間に父が亡くなり自分も感染し、家族がバラバラになった。今まで経験したことがない怖さでした。いまも、また感染したらどうしようと恐怖を感じています。どれだけ感染対策をしても少しの隙を付いてウイルスは侵入してくるので、皆さんには本当に気をつけてもらいたいです」と話していました。
また、男性の妻は「ある日突然、生活が一変し、家族が奪われてしまいました。どれだけ気をつけていてもどこからウイルスが入ってくるかわからない、その恐ろしさをいちばん感じました。気を引き締めるばかりだと疲れるかもしれないが、感染してから後悔するよりも自分や家族、それに周りの人を守る対策をとってほしい」と話していました。
父親がいつも使っていたベッドやいす、それに大好きだった帽子や洋服はそのままいつもの場所に残してあります。
新型コロナウイルスは死に至る恐ろしいウイルスであることを改めて思い知らされたという男性。
どれだけ感染対策をしていても、いつ誰が、どのような形で感染するかわからず、決して甘く見ずに最大限の警戒を続けてほしいと訴えています。
男性は「私自身もコロナは怖い病気だと思い注意していたが、まさか、このようなことになるとは思っていませんでした。わずか1か月で、あっという間に父が亡くなり自分も感染し、家族がバラバラになった。今まで経験したことがない怖さでした。いまも、また感染したらどうしようと恐怖を感じています。どれだけ感染対策をしても少しの隙を付いてウイルスは侵入してくるので、皆さんには本当に気をつけてもらいたいです」と話していました。
また、男性の妻は「ある日突然、生活が一変し、家族が奪われてしまいました。どれだけ気をつけていてもどこからウイルスが入ってくるかわからない、その恐ろしさをいちばん感じました。気を引き締めるばかりだと疲れるかもしれないが、感染してから後悔するよりも自分や家族、それに周りの人を守る対策をとってほしい」と話していました。