災害時の携帯トイレ 腸に炎症が起きる難病患者など使い方学ぶ

災害時には断水などでトイレが使えなくなることが想定されます。特に腸に炎症が起きるとトイレに行く回数が多くなる難病の患者が、災害時の携帯トイレの使い方を学ぶ講習会が開かれました。

クローン病や潰瘍性大腸炎など、腸に炎症が起きる難病の患者は、国内におよそ25万人いるとされ、トイレに行く頻度が多いことから災害時にトイレが使えなくなることが大きな課題となっています。

熊本の難病患者などで作る団体が行った調査では、5年前の熊本地震で、潰瘍性大腸炎の患者から、トイレの確保のため自宅にいるしかなかったとか、1日に何度も下痢の症状が出るので、避難所では過ごせないといった声が寄せられたということです。

7日に医療のベンチャー企業と患者の団体がオンラインで開いた講習会では、患者などおよそ30人が災害時の携帯トイレの使い方を学びました。

トイレの水が流せなくなっても、「便座の下」に1枚、「便座の上」に1枚と、2重になるようポリ袋をかぶせ、その中に粉末やタブレットなどの凝固剤を入れるだけで用が足せるようになるということです。

講習会では、トイレに尿に見立てた水を入れ、しばらくしてゼリー状に固まると、便座の上にかぶせた1枚のポリ袋だけを捨てていました。捨てる際には、袋から空気を抜き、きつく結ぶと、臭いがもれにくくなるということです。

講習会に参加した埼玉県の仲島雄大さん(53)は、症状が重い時には、トイレから数十分ほど出られないことも多く、避難所のトイレを使うことに不安を感じています。

仲島さんは「避難所のトイレは並ぶので気が引けてしまう。病気によっては、お尻を洗う設備も必要で、避難所の仮設トイレには備わっていないと思うので不安だ」と話していました。そのうえで仲島さんは「避難所のトイレ環境の改善は、国や自治体にも頑張ってほしいが、すぐに改善されるのも難しいと思うので、自分も携帯トイレなどを備えていきたい」と話していました。

また、参加した宮城県の男性は「これからは携帯トイレを備え、実際に使ってみて、いざという時にも活用できるようにしたい」と話していました。

講師を務めた防災トイレアドバイザーの市川ゆかりさんは「携帯トイレを備えておけば難病の患者さんの不安が少しでも和らぐと思う。トイレはどんな人にも重要な問題なので、ぜひ携帯トイレを身近に感じてもらいたい」と話していました。