新型コロナ 中国・武漢訪問のWHO調査チーム 10日に帰国へ

新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて、中国・武漢を訪れているWHO=世界保健機関の調査チームは、関係先への視察をほぼ終え、これまでに得られたデータの分析などを行っていて、今月10日に帰国の途につく予定です。

日本を含む各国の専門家で作るWHOの調査チームは、先月29日から武漢での本格的な調査を行っていて、感染拡大の初期に多くの患者が確認された海鮮市場や、コウモリのコロナウイルスの研究で知られ、アメリカのトランプ前政権がウイルスが流出した可能性があると主張していた「武漢ウイルス研究所」などを視察し、関係者から聞き取りを行いました。

一方で、5日以降は、滞在先のホテルから外出する様子は確認されていません。

調査チームのメンバーなどによりますと、関係先への視察はほぼ終わり、これまでに得られたデータの分析などを行っているということで、今月10日に帰国の途につく予定です。
WHOによりますと、武漢での調査の対象は中国側が手配した場所や人に限られていて、中国共産党のもと感染の封じ込めに成功したとアピールする展覧会など、中国政府の宣伝色の強い施設への視察にも多くの時間が割かれています。

調査チームのメンバーの1人は、ロイター通信の取材に「まずは知り得たことを精査し、データと整合させなければならない。一連のプロジェクトは数年かかる可能性がある」と話していて、発生源の解明に向けてはなお時間がかかることが予想されます。