簡単な尿検査で重症化予測 新型コロナ 500人規模の臨床研究へ

簡単な尿検査で新型コロナウイルスに感染した人が重症化するかを予測する500人規模の臨床研究を国立国際医療研究センターのグループが実施することが分かりました。実用化されれば、入院が必要かどうかを判断するのに役立つと期待されています。

この臨床研究は、国立国際医療研究センターのグループが実施するものです。

臨床研究は、新型コロナウイルスに感染して宿泊施設で療養している人や入院している人、およそ500人を対象に、尿に含まれる「L-FABP」というたんぱく質の量を調べるということです。

これまでの研究で、このたんぱく質が正常値より多いと、症状が悪化するリスクが8倍余り、高くなっていたということです。

尿検査は、検査キットを使って自分でできるということで、療養や入院の初日と2日後に検査キットの画像をスマートフォンで送ってもらい、医師が結果を判定します。

グループでは、自治体や医療機関に協力を呼びかけ、今月にも臨床研究を始めたいとしています。

臨床研究を進めている国立国際医療研究センターの片桐大輔医師は「この検査が実用化できれば、重症化リスクの高い患者を優先的に病院に紹介したり、体調のチェックなどを行ったりすることで必要な人がスムーズに入院することに役立つはずだ」と話しています。