インドネシア コロナ呼気検査導入 専門家から信頼性疑問視の声

新型コロナウイルスの感染者が東南アジアで最も多いインドネシアで、呼気によって感染の疑いがあるかどうかがわかるとする機械が開発され、一部の鉄道駅で、運用が始まりました。ただ、専門家からは信頼性を疑問視する声も上がっています。

この機械は、国立ガジャマダ大学が開発し、インドネシア国営の鉄道会社が5日から4か所の駅で運用を始めました。

機械を開発したチームの研究者によりますと、この機械は呼気に含まれる特定の化合物をセンサーとAI=人工知能を使って検出する仕組みだということで、インドネシア保健省が緊急使用を許可しました。
インドネシアでは鉄道で長距離の移動をする場合、これまでは事前に抗原検査やPCR検査を受け、陰性の証明書を提示するよう求められていましたが、今後はこの機械についても乗車を認めるかどうかの判断に活用していくということです。

運用が始まった首都ジャカルタの駅では、検査を希望する乗客が日本円でおよそ150円を支払ったうえで、専用の袋に息を吹き込み、係員がそれを機械にかけて確認していました。

また、この機械で感染の疑いがあるとされた場合はPCR検査を受ける必要があるということです。

一方、この機械をめぐってインドネシア国内の専門家からは「専門家による評価が十分ではない」などと、信頼性を疑問視する声も上がっています。

呼気検査を受けた17歳の学生は「検査費が安いので、多くの人が抗原検査の代わりに選ぶようになると思います」と話していました。