アストラゼネカも承認申請 新型コロナワクチン 国内2例目

イギリスの製薬大手アストラゼネカは、開発した新型コロナウイルスのワクチンについて5日、厚生労働省に承認を求める申請を行いました。国内での承認申請はファイザーに続いて2例目です。

アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同で新型コロナウイルスのワクチンを開発し、イギリスやインドでは先月から接種が始まっています。

アストラゼネカは、5日、日本国内での使用に向け、厚生労働省に承認を求める申請を行いました。

新型コロナウイルスのワクチンで国内で承認申請が行われるのは、アメリカの製薬大手ファイザーに続いて2例目です。

アストラゼネカは、国内で日本人に実施している治験のデータを来月中に提出する方針で、厚生労働省は海外のデータと合わせて有効性や安全性を速やかに審査することにしています。

アストラゼネカは、日本政府との間で6000万人分のワクチンを供給する契約を結んでいて、厚生労働省が承認すれば、国内の製造拠点から4000万人分以上が供給される見通しです。

官房長官「有効性・安全性などをしっかり確認」

加藤官房長官は午後の記者会見で「今回の申請には海外試験の成績などは添付されているが、国内治験のデータなどは現在、整理中で、3月中に追加的に提出される予定だと聞いている。今後、提出されたデータや最新の科学的知見に基づいて、有効性・安全性などをしっかり確認し、判断されていくものと承知している」と述べました。

厚労相 審査大幅簡略化を前提に審査行う考え示す

田村厚生労働大臣は5日夜、記者団に対し「申請内容は4週間から12週間の間隔で2回接種するというものだ。海外の治験データと来月中に追加提出される国内のデータを含めて、安全性・有効性を審査したうえで承認するかどうかを決定したい」と述べ、審査の手続きを大幅に簡略化する「特例承認」を前提に審査を行う考えを示しました。

一方、アストラゼネカのワクチンをめぐり、ヨーロッパで当面、65歳以上の高齢者への接種を控えるよう求める勧告が相次いでいるのに対し、田村大臣は「申請内容では、今のところ年齢を限ってという話はなく高齢者も含めてということだ。どのような対応になるかは審査の内容を見たうえでの判断となる」と述べました。

2度から8度で6か月間保管可能

厚生労働省によりますと、日本政府が供給を受ける契約を結んでいる欧米の3社のうち、ファイザーのワクチンはマイナス75度前後、モデルナのワクチンはマイナス20度前後での保管が必要です。

一方、アストラゼネカによりますと、今回、承認申請をしたワクチンは、2度から8度で少なくとも6か月間保管できるということです。

このため、医療機関での管理や接種会場までの輸送も冷蔵庫を使ってできるとしています。