千葉市 新型コロナ 搬送減も 救急受け入れ困難依然多い

千葉市では新型コロナウイルスの感染が確認された人が減少傾向にあり救急搬送の数も減っていますが、依然として救急患者の受け入れ先の病院が見つからないケースが多く、専門家は専用病床のひっ迫の解消を急ぐ必要があると指摘しています。

千葉市では先月31日までの1週間に救急患者が搬送された件数は最も多かった1月上旬に比べて2割近く減っています。

しかし、発熱や息苦しさを訴えている場合、感染の可能性があるとして受け入れを断られるケースが依然として多く、救急隊が医療機関に照会を行った619件のうち、5回以上の照会が必要だったケースは53件と1割近くに上りました。

また、照会が10回以上必要だったケースも16件あり、中には2時間以上受け入れ先が見つからなかったケースもあるということです。
救急隊員の男性は「搬送先が見つからず、現場から1時間以上動けないこともあり、かなり厳しい事例もありました」と話していました。

新型コロナの患者を受け入れている医療機関は専用病床の使用率が高止まりしていて、新たな患者の受け入れが難しい状態が続いています。

このため千葉県は、新型コロナが回復したあとも持病の治療などで入院が必要な患者の転院先を確保し、リスト化して共有する取り組みを始めました。
救急医療に詳しい日本医科大学の松本尚教授は「基幹病院でこれ以上コロナの入院患者のための病床を増やしていくと、通常の診療にも影響が出てしまう。ほかの病院が急性期病院の受け皿になることで、急性期病院の回転率を上げる必要がある」と話しています。