日本製鉄 業績予想を上方修正 自動車向け鋼材の生産持ち直し

鉄鋼最大手の日本製鉄は、今年度の業績予想を上方修正し、最終的な損益は、これまでの予想より赤字幅が500億円縮小して、1200億円の赤字になるとの見通しを示しました。新型コロナウイルスの影響で、一時的に落ち込んでいた自動車向けの鋼材の生産が持ち直していることが主な要因です。

日本製鉄の去年12月までの9か月間のグループ全体の決算は、最終的な損益が1238億円の赤字となり、この時期の決算としては2年連続の赤字となりました。

新型コロナウイルスの影響で、主力の自動車向けの鋼材の生産が去年夏ごろにかけて大幅に落ち込んだことや、造船や建築向けなども生産が減少したことが主な要因です。

ただ、その後は自動車メーカーの生産の持ち直しが想定以上に進んだことから、会社は今年度の業績予想を上方修正し、最終的な損益は、1200億円の赤字と、これまでの予想より赤字幅が500億円縮小する見通しを示しました。

宮本勝弘副社長は、電話での会見で「鋼材の需要が増え、価格も上昇している。収益基盤の強化と需要の動向にみあった国内の生産体制の適正化に努めたい」と述べました。

鉄鋼メーカーでは神戸製鋼所も今年度の業績予想について、最終的な損益が150億円の赤字から、ゼロになるとの見通しに上方修正しました。