沖縄 辺野古工事でのサンゴ移植めぐる訴訟 県の訴え棄却 高裁

沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり、農林水産大臣が埋め立て予定区域のサンゴの移植を許可するよう沖縄県に指示したのは違法な関与に当たるとして県が取り消しを求めた裁判で、福岡高等裁判所那覇支部は「指示は違法ではない」として訴えを退けました。

アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古沖への移設工事をめぐり、沖縄防衛局からおととし出された埋め立て予定区域に生息するサンゴの移植の許可申請について、県が判断を示さないことから、法律を所管する農林水産大臣が許可するよう県に指示しました。

県は、国の違法な関与だとして、指示の取り消しを求めて国の第三者機関に申し出たものの退けられたため、去年7月、裁判を起こしました。

3日の判決で福岡高等裁判所那覇支部の大久保正道裁判長は「県が、移植について判断を示さないことを正当化する特段の事情は認められないうえ、申請の内容は適切で許可できない理由も存在せず、県の業務の進め方は違法な状態にあった。この状態を是正する必要があったといえ、大臣の指示は違法ではない」などとして指示の取り消しを求める県の訴えを退けました。

移設工事をめぐる県と国の間での裁判は平成27年以降、今回を含めて合わせて9件起きていて、このうち3件では県の敗訴が確定し、4件では和解が成立するか県が訴えを取り下げています。

沖縄 玉城知事「納得できない」

判決のあと、沖縄県の玉城知事は「裁判所の判断は地方公共団体の自主性および自立性を著しく制限していて問題がある。納得できるものではなく、判決内容を精査したうえで上告を含め対応を検討する」と話しました。

加藤官房長官「コメント差し控える」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「本日、沖縄県知事の請求を棄却する判決が言い渡されたと承知しているが、中身についてはコメントを差し控えたい。政府としては今後とも地元の理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現し、基地負担の軽減を図るべく努力をしていきたい」と述べました。

沖縄防衛局「コメントは差し控える」

判決について、沖縄防衛局は「裁判所の判断についてコメントは差し控えます。沖縄防衛局としては普天間基地の1日も早い全面返還を実現するため、辺野古移設に向けた工事を着実に進めていきたい」とするコメントを出しました。