中国 コロナワクチン 公平分配枠組みに1000万回分提供と発表

中国政府は、新型コロナウイルスワクチンの公平な分配を目指す枠組みに1000万回分のワクチンを提供すると発表しました。主に途上国の需要に応じるためだとしていて、供給に積極的な姿勢を示し、途上国への影響力を強めたいねらいがあるとみられます。

中国外務省の汪文斌報道官は3日の記者会見で、WHO=世界保健機関からの求めに応じて、新型コロナウイルスワクチンの公平な分配を目指す枠組み「COVAXファシリティ」に、1000万回分のワクチンを提供すると発表しました。

主に途上国の需要に応じるためだとしていて、すでにWHOが、中国のワクチンの緊急使用に向けた審査を始めたことも明らかにしました。

そのうえで、汪報道官は「国際社会の能力ある国は、枠組みを支援するため、積極的に行動するよう望む」と述べ、バイデン政権のもとで枠組みに参加する方針に転じたアメリカなどを念頭にワクチンの提供を促しました。

中国は去年10月に枠組みへの参加を表明しましたが、実際にワクチンを提供するのは初めてです。

中国は、すでに途上国を中心に50か国余りにワクチンを個別に支援するとも表明しており、各国間でワクチン確保の競争が激しくなり途上国への供給の遅れが懸念される中、供給に積極的な姿勢を示し、途上国への影響力を強めたいねらいがあるとみられます。