病床使用率 国と自治体で異なる数字 差が大きいケースも

新型コロナウイルスによる病床使用率には厚生労働省と内閣官房がそれぞれ発表する数字のほか、自治体がまとめた数字もあり、時には差が大きいケースもみられます。

入院によってどれだけ病院のベットが埋まっているかみるための指標として、厚生労働省と内閣官房、それに自治体はそれぞれ病床使用率を発表しています。

内閣官房がまとめている、ステージ3とステージの指標の数値と比較できるよう速報的に示している値によりますと、先月27日時点の神奈川県では病床全体の使用率は48%、重症者用の病床使用率は53%となっています。

厚生労働省のまとめでは病床全体の使用率は60%、重症者用の病床使用率は55%となっています。

一方、県のまとめではすぐに使うことができる病床数を即応病床数として発表していて、これをもとに計算すると病床全体の使用率が85.5%、重症者では使用率は92.1%となります。

京都府については、内閣官房と厚生労働省はいずれも病床全体の使用率は38%、重症者用の病床では41%としています。

一方、京都府はすでに確保しているか、すぐに使うことができる即応病床数でも計算していて、即応病床数を基にした病床全体の使用率は86.1%としています。

また、重症者の病床使用率は17.4%で、高度な治療を必要とする重症患者用の病床を高度重症病床使用率として39.5%としています。

さらに、重症患者のカウントのしかたなどから一部の数字が大きく異なるケースもあります。

先月27日時点の東京都の重症患者の病床使用率は、内閣官房は107%、厚生労働省は113%としています。

一方、東京都は63.6%としています。

背景には重症患者のカウントの基準が国と都で違うことがあります。

病床使用率としてさまざまな数字が示されている現状について、厚生労働省の担当者は「それぞれの組織が目的に応じて数字を算出していて、専門家の委員会は厚生労働省のまとめた数字で議論をしている。分かりやすさも必要だと感じている」としています。