イタリア 暫定政権の新首相 ドラギ前欧州中銀総裁任命か

イタリアでは新型コロナウイルスの危機のさなかに首相が辞任し新たな連立に向けた協議も失敗したことを受けて実務者が率いる暫定政権の樹立を目指すことになりヨーロッパ中央銀行の前の総裁のマリオ・ドラギ氏が新しい首相に任命されるとみられます。

イタリアでは新型コロナウイルスへの対応をめぐる対立から少数政党の「イタリア・ビバ」が連立政権を離脱し、コンテ首相は政権運営が難しくなったとして1月26日、辞任を表明しました。

各党は新たな連立に向けた協議を行ってきましたが合意には至らず、マッタレッラ大統領は2日、新型ウイルスの危機のさなかに選挙は実施できないとして、実務者が率いる暫定政権の樹立を目指す考えを表明しました。

大統領府はマッタレッラ大統領がヨーロッパ中央銀行の前の総裁のマリオ・ドラギ氏と3日に会談すると発表し、ドラギ氏が暫定政権の新しい首相に任命されるとみられます。

ただ、暫定政権の樹立には議会の信任が必要で支持を得られるかは不透明な状況です。

イタリアでは新型コロナウイルスで亡くなった人が9万人に迫る深刻な状況が続いていて、マッタレッラ大統領は「今後、数か月がウイルスに打ち勝つか敗れるかの瀬戸際で、機能する政府が欠かせない」と訴えて、すべての政党に暫定政権樹立に向けた協力を呼びかけました。