庭を100周歩き医療支援呼びかけ 100歳男性 コロナに感染し死去

イギリスで去年春、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、医療従事者を支援しようと自宅の庭を100周歩いて50億円近くを集めた100歳の男性が新型コロナウイルスに感染して亡くなり、追悼する動きが広がっています。

イギリスの退役軍人トム・ムーアさんは医療従事者を支援しようと去年4月、100歳の誕生日を前に歩行器を使って自宅の庭を100周歩くことに挑戦してインターネット上で募金を呼びかけ、目標を大きく上回る3200万ポンド余り、日本円で47億円余りが寄せられました。

功績をたたえて去年夏には「ナイト」の爵位が贈られ、エリザベス女王からメダルが手渡されました。

イギリスメディアなどによりますと、ムーアさんは、先月下旬、新型コロナウイルスに感染していることがわかり、入院して治療を受けていましたが2日、亡くなったということです。

100歳でした。

投薬治療を受けていたためワクチンは接種していなかったということです。
ジョンソン首相は、ビデオでメッセージを発表し、「ムーア氏は真のヒーローだ。イギリス国内を鼓舞しただけでなく、世界の希望の光だった」と述べ、その死を悼みました。

また、エリザベス女王もムーアさんの家族にお悔やみのメッセージを送ると伝えられるなど、ムーアさんを追悼する動きが広がっています。