緊急事態宣言延長 小池都知事 「7日間平均を前週7割以下に」

緊急事態宣言の延長を受けて、東京都の小池知事は臨時の記者会見を開き、都内の新たな感染の確認は減少傾向だが、年末年始の急拡大前の水準に戻ったにすぎないとして、今後、感染確認の7日間平均が1週間前の7割以下で推移することを目安にさらなる協力を呼びかけました。

ここで緩めれば再拡大招く

小池知事は「都では、新規陽性者数は減少傾向にあるが、年末年始の急拡大、その前の水準に戻ったということにすぎない。重症化の数は高止まりしている。そして医療提供体制のひっ迫は長期化している」と述べました。

そのうえで「ここで緩めてしまうと、すぐに再拡大を招いてしまう。東京の医療を守り、都民の皆様方の命を守るために徹底して人流を抑え込む、その最大限の対策を取る。『緊急事態宣言を1日でも早く切り上げたい』という思いは皆さんと一緒だ。何としても今ここでウイルスを抑え込んでいかなければならない」と呼びかけました。

『7日間平均を7割に』

「ここ数日の新規陽性者数をみると、7日間移動平均で前の週に比べておよそ7割前後までに抑えられている。さらに続けていくことが大事だ。仮に今後、毎日の新規陽性者数が1週間前の7割以下で推移していった場合、3月初旬には、1日当たりの新規陽性者数が140人以下、つまり都民10万人当たり1人以下となる。『7日間平均を7割に』。これを目安に今一歩のご協力をお願いしたい」と述べました。

『週3日・社員の6割以上』のテレワーク実施を

「事業者の皆様には、『出勤者数の7割削減』に向けて、『週3日・社員の6割以上』のテレワーク実施を改めてお願いしたい」と述べました。
そのうえで小池知事は、「先日、1都3県共同で緊急事態措置の期間、今回は2月8日から3月7日の期間を、新たに『テレワーク集中実施期間』として設定した。都においては、終日のテレワークが難しい職場でも、たとえば、半日・時間単位のテレワークとローテーション勤務などを組み合わせた『テレハーフ』の実施を新たに推奨し、より多くの従業員のテレワーク利用につなげていく」と述べました。

最も有効な処方箋は結局のところステイホーム

「都民の皆様には、引き続き、特措法第45条第1項に基づき徹底した外出自粛をお願いしたい。コロナウイルスへの最も有効な処方箋は結局のところステイホームだ。コロナにはカレンダーも時計も地図もない。ウイルスは私たちにつけいる隙を常にねらっている。昼も夜も外出は自粛してほしい」と述べました。

若者は外出控えて

「感染者は依然として20代・30代が多く、かつ無症状の方も多い。若者の皆さん、コロナウイルスは、皆さんを利用し、高齢者などに拡散しようとしている。どうか外出は控えてください。飲み会もなし。家で友人と飲食することも危ない。なしです。家の中ならいいということではない」と呼びかけました。

社会人も協力を

「社会人の方は、職場の歓送迎会や仕事の打ち上げなどもなし。スポーツ観戦や映画などイベントを楽しんだあとの食事もなしでお願いします。カラオケ、ゲームセンターも控えてほしい。若者でも重症化したり、長く続く後遺症に悩まされるケースもある。社会のため、皆さん自身のため協力をお願いする」と呼びかけました。

受験が終わったらステイホームを

「受験生の皆さん、合格を目指してぜひ実力を発揮してもらいたい。そして、受験が終わったあとはステイホームしてください。受験が終わって開放的な気分になることはよくわかるが、友人との交流もことしはオンラインにしてください。皆さんの行動が社会を救います」と呼びかけました。

卒業の季節 会食や卒業旅行も自粛を

「学生の皆さん、卒業の季節が近づき、例年なら追い出しコンパや謝恩会などの行事がめじろ押しになる時期だと思う。集団での会食は、ウイルスにとって拡散するまたとないチャンスだ。ことしはなしにしてください。友人との旅行や卒業旅行もなしです」と呼びかけました。

75歳以上の陽性者は増加

「先週のモニタリング会議では、都内の新規陽性者数が減少しているにもかかわらず、75歳以上の陽性者は増加していることが報告された。高齢者や基礎疾患のある方は重症化リスクが高く、感染は命に関わる問題だ。外出や会食は徹底して避けていただきたい。同居しているご家族の皆さんも食事時間をずらす、家庭内でもマスクをするなど、もう一段の注意をお願いする」と呼びかけました。

小池知事は、医療施設や高齢者施設でのクラスターが相次いでいることから、特別養護老人ホームなどの高齢者施設で検査の徹底を図る考えを示しました。

営業時間短縮今しばらくのご協力を

「飲食店の皆様には、たび重なる営業時間の短縮にご協力いただき、改めて感謝申し上げる。この間、新規陽性者数が減少傾向に転じている。ここで徹底的に感染を抑え込むため、今しばらくのご協力をお願いしたい」と述べました。

そのうえで「特措法第24条9項に基づき、3月7日までの間、引き続き、営業時間を朝5時から20時までとするよう要請する。酒類の提供は11時から19時までとする。対象地域はこれまでと同様、島しょ地域を含む都内全域とする」と述べました。

一方、緊急事態宣言の延長にあわせてさまざまな施設への休業要請に踏み切らなかった理由を問われたのに対し「今後の状況がどうなるかをよく見極めていかなければならない。状況が悪化していけば、休業要請も改めて考えなければならないが、それはぜひとも避けたい」と述べました。

協力金は1都3県で連携して取り組みたい

「この要請に全面的にご協力いただける飲食店などの皆様に対し、店舗ごとに協力金を支給する。協力金については、1都3県で連携して取り組みをしたいと考えており、詳細が決まり次第、改めてお知らせする」と述べました。

感染拡大防止協力金の制度構築や全額国費負担など国に求めていく

「東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県は、きょうの緊急事態宣言の延長決定を受け、共同で声明文を発表する。国の決定については、現在の措置を緩めることなく、何としても感染拡大を食い止める強い決意の表れとして受け止める。一方、今後の基本的対処方針を改定する際の事前の十分な協議、感染拡大防止協力金の制度構築や全額国費負担などを改めて国に求めていく」と述べました。

延長期間をできるだけ短くしていきたい

「コロナとの長い闘いに、つらく苦しい思いをされている方も多いと思う。もうこんなことは終わらせなければならない。私たち一人一人の行動によってそれが可能になる。医療従事者の皆様方には昼も夜も休日もなく、正月も年末年始もなくコロナと闘い続けてくださっている。こうした方々に報いるために私たちがすべきことは、何よりも感染者数を減らすことだ」と述べました。

そのうえで「そのためにも、『7日間平均を7割以下に』『出勤者数を7割削減』を目安に、今一度、全都民の皆様のお力を結集していただきたい。貸していただきたい。都民の皆様方には本当にさまざまなご苦労をおかけしますが、コロナとの闘いをここで終わらせていこうではないか」と呼びかけました。

「都が考える緊急事態宣言の解除の目安は何か」という質問に対しては「新規陽性者数だけではなく、医療提供体制の状況など、まさに総合的な判断が必要になってくる。緊急事態宣言の延長を機に、改めて感染の拡大を食い止めるという意識を皆さんと共有し、延長の期間をできるだけ短くしていきたい」と述べました。