緊急事態宣言の扱い 政府決定に先立ち 衆参両院で質疑

緊急事態宣言の扱いを政府が決定するのに先立って、国会では菅総理大臣が出席して質疑が行われました。衆参両院の議院運営委員会には、菅総理大臣と西村経済再生担当大臣が出席しました。

▽自民党の福田達夫氏は「重ねて1か月の延長となると、対象地域以外にも影響が広がり、心理的な先行きへの不安感が大きな影を落とし始める。先行きをどう見ているのか」と質問しました。

西村大臣は「感染拡大の情報が外出自粛につながり、消費の減少をもたらすという分析がある。心理面からも実態面からも、まずは感染拡大を抑えることが重要だ」と述べました。

▽立憲民主党の鉢呂吉雄氏は「『1か月後には必ず事態を改善させる』と約束したのに、収束できなかった。最高責任者として、非常に大きな責任がある」とただしました。

菅総理大臣は「さらに1か月延ばすことは、大変申し訳なく思っている。何としても、感染拡大を阻止したいという思いで、判断した。1か月でできなかった責任は、すべて私が背負う。もう一度、国民にお願いさせていただきたい」と述べました。

▽公明党の佐藤英道氏は「いまだ予断を許さない状況に置かれている国民や中小事業者に対し、政府は確固たる姿勢を見せるべきだ」と指摘しました。

菅総理大臣は「国民の協力のおかげで、間違いなく感染者数は減少傾向にある。もう一度協力いただき何としても、感染拡大に終止符を打ちたい。安心できる生活を1日でも早く取り戻せるよう全力で頑張る」と述べました。

▽日本維新の会の遠藤敬氏は「特措法の改正で、知事の権限が強くなると思うが営業時間の変更などは、首長の権限でできるのか」と質問しました。

西村大臣は「感染状況や病床確保の状況などを踏まえ、最終的に知事が措置をしていく。仮に解除したあとも、再拡大しないように段階的に緩和していく」と述べました。

▽共産党の倉林明子氏は「重症患者の受け入れ病床を、喫緊に確保しないといけない。すべての医療機関の経営を守り支えきると表明してもらいたい」と求めました。

菅総理大臣は「病院の経営が非常に緊迫していることは承知している。支援によって、基本的に減収になることはないと考えているが、ありえるならば、さらに対策を検討し、現場が財政面でちゅうちょしないよう、しっかり対応する」と述べました。

▽国民民主党の浜野喜史氏は「ワクチンの接種が大多数に行き渡って、いわゆる『集団免疫』と呼ばれるような状態を作らないかぎり、収束にならないのではないか」と指摘しました。

菅総理大臣は「まずは足元の感染拡大を防ぐために、断固たる対策を講じる。そのうえで、感染対策の決め手となるワクチンについて円滑に接種を進め、安心して暮らせる日常を取り戻せるよう、全力であたっている」と述べました。

一方、菅総理大臣は、深夜まで飲食店に出入りしていた与党議員の辞職や離党について「政治家は率先して襟を正すべき立場で誠に残念だ」と述べ、重ねて陳謝したうえで、引き続き新型コロナ対策に全力を尽くす考えを示しました。

また、去年12月、みずからが会食に参加したことについて「緊急事態宣言下でもなかったし当時は夜10時まで許されていたと記憶しているがあってはならないことだと大いに反省している」と述べました。