米議会 経済予測発表 ことし半ばにはコロナ感染拡大前の水準に

アメリカ議会は、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済が、ワクチンの普及などで、ことし半ばには感染拡大前の水準に戻るとの見通しを明らかにしました。一方で、雇用者数が感染拡大前に戻るには3年かかるとしており、いわゆる「雇用なき回復」への懸念が続きそうです。

アメリカ議会予算局が1日発表した、新たな経済予測によりますと、経済規模を示すGDP=国内総生産の伸び率は、ことし4.6%まで回復するとしています。

これは、74年ぶりの低い水準だった去年のマイナス3.5%を帳消しにするもので、ワクチンの普及や大規模な経済対策によって、ほぼV字回復して、感染拡大前の水準に戻る形です。

雇用の改善スピードは鈍く 「雇用なき回復」への懸念

これに対して、雇用の改善スピードは鈍く、雇用者の数が感染拡大前の水準に戻るのは3年後の2024年、失業率は2026年と5年先になると予測しています。

新型ウイルスの感染拡大で、レストランやホテルなどのサービス業が大きな打撃を受けていて、当面こうした業種では従業員の採用増加には慎重な姿勢が続くとみられているためです。

アメリカでは、失業保険給付の大幅な上乗せなど職を失った人への手厚い支援が逆に職探しの意欲をそいでいるとの指摘もあり、景気が回復しても、雇用が元に戻らない「雇用なき回復」への懸念がくすぶりそうです。