津波で船が乗り上げた元民宿 解体工事始まる 岩手 大槌町

東日本大震災の津波で、観光船が屋根の上に乗り上げた、岩手県大槌町の民宿だった建物の、本格的な解体工事が1日から始まりました。震災を伝える建物の1つが姿を消すことになり、震災の伝承をどう進めるか課題となっています。

大槌町赤浜にある民宿だった建物は、震災の津波で観光船「はまゆり」が屋根の上に乗り上げ、津波の被害の大きさを伝える建物の1つとなりました。

船は落下の危険があるとして震災から2か月後に解体されましたが、町は震災を伝えるために建物を遺構として残そうと、平成24年に条例を制定し、NPO法人とともに費用の寄付を全国に募ってきました。

しかし、寄付額が目標額の1%に満たないおよそ400万円にとどまったため、町は費用を確保できる見通しが立たないとして保存を断念しました。

1日は午前9時から重機を使って、津波の力と船の重みで折れ曲がった鉄骨などを取り壊す作業が始められ、工事関係者によりますと、1週間ほどで建物は解体され、今月中にはさら地になる予定だということです。

町では震災を伝える建物が10年の間に相次いで解体され、将来に向けて伝承をどう進めていくかが課題となっています。

このため、町は新年度に町民も参加して伝承方法の具体的な検討を始めることにしています。