選手村マンション購入者 引き渡し遅れの補償求め調停申し立て

東京オリンピック・パラリンピックの延期で選手村を改修して、分譲されるマンションの引き渡しが1年程度遅れることについて、購入者の一部が売り主側に対し、引き渡しが遅れることで生じる費用の補償を求める調停を裁判所に申し立てました。

東京 中央区の晴海地区では選手村として使った建物を改修して、マンションが整備されることになっていて、このうち940戸が販売されましたが、大会延期によって2023年の予定だった引き渡しは1年程度遅れる見通しとなっています。

今回、調停を申し立てたのはマンションの購入者24人です。

売買契約の中で、購入者は「売り主側の故意・過失ではない事由、または予見できない事由によって引き渡しが遅れる場合は承諾しなければならない」とされています。

東京都は選手村の建物を借り受ける期間を1年延ばすことを、売り主の不動産会社などでつくる企業グループに申し入れ、去年11月、賃料として都が38億円を支払う契約を新たに結んでいます。

購入者側は「企業グループが都からの申し入れにみずからの判断で応じていて、契約が不履行になったのは“故意”によるものだ」として、引き渡しが遅れることで生じる費用の補償を求めています。

一方、企業グループ側の広報を担当している三井不動産は「申し立て書が届いたら適切に対応したい」とコメントしていますが、購入者側の代理人弁護士によりますと、これまでの話し合いの中では「選手村として使用したうえで住宅として整備するという前提があり、法律上、補償の必要はない」などと、回答していたということです。

契約法に詳しい京都大学の潮見佳男教授は「今回は売買契約の当事者ではない東京都の判断が引き渡しの延期という事態を招いた。東京都からの申し入れを売り主側が拒むことができたのかどうかが争点の1つになる」と話しています。

原告代理人「売り主の態度に疑問。説明責任を」

調停を申し立てた購入者側の代理人の轟木博信弁護士は「オリンピックが予定どおり開催されるのか購入者にとっては不安な状況が続いていて、契約を継続するべきか悩んでいる人も多くいます。引き渡しが1年延びると一方的に書面で告げられ、売り主に法的責任はない、説明会も開かないという態度には疑問があります。今回の調停を通じて適切な説明責任を果たしてもらい、何らかのサポートがあるべきだと思います」と話していました。

購入者「住宅ローン審査やり直しは不安」

購入者の50代の男性は「家は一生の買い物なので、去年6月にいきなり契約の継続か解除かを求められて困りました。住宅ローンの審査がやり直しになり、月の支払いも増えるので不安です」と話していました。