スポーツクライミング ボルダリング 男子 藤井 女子 森が優勝

スポーツクライミングのボルダリングの日本一を争うジャパンカップが東京で行われ、男子はベテランの藤井快選手が4回目の優勝を、女子は17歳の森秋彩選手が初優勝を果たしました。

スポーツクライミングのボルダリングは東京オリンピックで実施される複合に含まれる種目の1つで、その日本一を争うジャパンカップが、新型コロナウイルスの感染対策として無観客で行われました。

男子は、28歳のベテランの藤井快選手が決勝で4つの課題すべてを登り切り、3年ぶり4回目の優勝を果たしました。

オリンピック代表内定の楢崎智亜選手も課題すべてを登り切りましたが、成功に要した回数の差で2位、原田海選手は6位でした。

女子は、17歳の森秋彩選手が決勝でただ一人、すべての課題を登り切り、初優勝を果たしました。

オリンピック代表内定で2年ぶりの優勝を目指した野中生萌選手は2位、31歳の野口啓代選手は準決勝で7位に終わり、上位6人による決勝に進めませんでした。

スポーツクライミングでトップ選手たちの出場する今後の大会は、国内では3月にスピードとリードのジャパンカップが、海外では4月からはワールドカップがスイスを初戦に世界各地で予定されています。

森「優勝の自信をパリ五輪の表彰台につなげたい」

17歳の森選手は、長時間ホールドを保持し続ける粘り強さや緩い傾斜の壁でのバランスのよさといった持ち味を発揮して、オリンピック代表内定の野中生萌選手ら実力者の先輩たちを破りました。

森選手は3年後のパリオリンピックをねらう17歳で、小学生の頃から全国大会で頭角を現してきました。

しかし、成績を重ねるごとにプレッシャーが大きくなったということで、去年、新型コロナによって練習や大会から離れた時期に「クライミングを好きな気持ちを確認できた。クライミングを始めた頃のように楽しむことを心がけよう」と、気持ちの切り替えにつなげたということです。

森選手は「この優勝は自信になった。自信をモチベーションに練習し、パリオリンピックの表彰台につなげたい」と力強く話しました。

女子2位 野中 悔しさも五輪への収穫を強調

2位の野中選手は、決勝は4つのうち2つの課題を完登できず、「準決勝まですべて完登していたので残念だ」と悔しさをにじませました。

それでも、決勝では前半2つの課題で少ない回数で完登を果たして見せ場を作り「ほかの選手が苦戦しているところをスムーズに登るなど、成長も感じた。自分の中では今までやってきたトレーニングは間違いではなかった」とオリンピックへの収穫を強調していました。

野口 「自分を見つめ直すきっかけに」

オリンピック代表に内定している野口選手は本来の力を出し切れず、準決勝で7位と決勝に進めませんでした。

野口選手は「1回目でしとめる力や自分のできない課題に対し、修正する能力が落ちていると感じた。ふだんの練習からもっと意識したい」と反省していました。

第1回大会から16回連続で出場するこの大会で準決勝敗退は6年ぶり2回目ですが、本人はさばさばとしていて「オリンピック半年前のこの時期にもっと気持ちを入れて頑張らないといけないと、自分を見つめ直すきっかけになった」と前向きに捉えていました。

藤井「自分に課題が合って登りやすかった」

藤井選手は決勝の序盤で足を痛めましたが「自分に課題が合っていて登りやすかった」とパワーの求められる4つの課題を少ない回数ですべて完登し、3年ぶりの優勝を引き寄せました。

28歳の藤井選手は、3年後のパリオリンピックに集中するため、正社員として勤務していたクライミングジムの会社を去年で退職し、ことしからプロクライマーとなりました。

藤井選手は「ことしは自分のパフォーマンスをどれだけ発揮できるかを目標にしている。出る大会はすべて勝つつもりで臨んでいるのでそれが達成できてよかった」と安どの表情を浮かべました。

原田「戦い抜く体力を養っていく」

オリンピックの代表に内定している原田選手は、この冬は基礎トレーニングを重視し、高い難度の課題を練習していないということで「決勝に進めると思っていなかったので準決勝で力を出し切った。疲労困ぱいの状態だ。引き続きトレーニングして少しずつ調子を上げたい。試合を戦い抜く体力などを養っていきたい」と課題を口にしていました。

楢崎「かなり感触はよい」

楢崎選手は決勝で4つの課題すべてで完登しましたが、この大会での初優勝はならず「ねらっていたので残念だ。シーズンの初戦は難しい」と苦笑いしました。

東京オリンピックで金メダル最有力の楢崎選手は、ボルダリングの登りかたの幅を広げるためにことしから専門のコーチと新たに契約し、壁を登る時の体の位置など細かな修正に励んでいます。

楢崎選手は「この大会でかなり感触はよかった。このままトレーニングを続ければもっと強くなれると感じた」と手応えをつかんでいました。