クラスター発生の施設 自衛隊 医療支援活動 開始 沖縄 宮古島

新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制がひっ迫している沖縄県宮古島市では、災害派遣要請を受けて現地入りした陸上自衛隊の看護官が、31日から、クラスターが発生している高齢者施設で感染者への医療支援活動を始めました。

人口およそ5万5000人の沖縄県宮古島市では31日までの6日間で130人の新型コロナウイルスの感染者が新たに確認され、医療体制がひっ迫しています。

沖縄県からの災害派遣要請を受けて現地入りした陸上自衛隊の看護官5人は、31日7時すぎ、市内の駐屯地を出発してクラスターが発生している高齢者施設に到着し、医療支援活動を始めました。

この施設では、30日までに入所者27人と職員13人の合わせて40人の感染が確認されていて、感染した入所者のほとんどは施設内で療養を続けているということです。

自衛隊の看護官は事前に受けたPCR検査で陰性を確認したうえで活動に参加していて、施設では、感染した入所者に薬を提供するほか入浴や食事の介助、健康観察などにあたります。

派遣された看護官の1人で、去年、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の対応にあたった経験のある吉田茉以2等陸尉(27)は、「隊員から誰ひとり感染者を出すことなく少しでも療養者や職員の力になれるよう頑張っていきたい」と話していました。

陸上自衛隊 医療支援活動の画像公表

陸上自衛隊第15旅団は、宮古島市内の医療支援活動を行っている高齢者施設の中の様子を撮影した画像を公表しました。

このうち、31日に撮影された画像には、医療用のガウンを身に着けた自衛隊の看護官が、施設の職員から部屋の説明を受けている様子が写っています。
また、31日の活動開始に先立って、30日に事前に訪問した際に撮影された画像には、看護官が入所者の看護記録を確認している様子や施設の職員と今後の対応を検討している様子が写っています。

市民から不安の声

沖縄県宮古島市で新型コロナウイルスの感染が相次いでいることについて、市民からは不安の声が聞かれました。

子育て中の39歳の女性は「感染して、ほかの周りの人に迷惑がかかるのがいちばん心配です。スーパーでの買い物はまとめ買いで行く回数を減らし、友達や親戚にも会わないようにしています」と話していました。

学校が休校になっているという中学2年の女子生徒は「部活の練習もできないし、テストが近いのに授業がまだ全然終わっていないので、大丈夫なのかなと思います。家ではきょうだいがけんかしているので、早く学校に行きたいです」と話していました。

名護市から移住してきたという39歳の女性は「街が今までにない、ものものしい雰囲気で怖いです。感染が収まったら心おきなく友達と会いたいです」と話していました。

タクシー運転手の68歳の男性は「5~6時間に1回、1日に2人くらいしか客を乗せていないので、生活できません。早く収まってほしいです」と話していました。