WHO調査チーム 武漢の病院で調査 “封じ込め”宣伝展示を視察

新型コロナウイルスの発生源などの解明に向けて中国・武漢で調査を進めているWHO=世界保健機関の国際的な調査チームは30日、市内の病院で聞き取り調査を行ったほか、中国政府が感染の封じ込めを宣伝する展示を視察しました。

日本を含む各国の専門家で作るWHOの調査チームは29日から武漢で本格的な調査を行っています。

30日は29日に引き続き、感染拡大の初期に大勢の重症患者の治療にあたった市内の病院を訪れ、医師や看護師などから聞き取りを行いました。

このあと、感染拡大当時の臨時医療施設で、現在は医療関係者のほか仮設病院を建設した軍の活動などを紹介する展示場を訪れ、およそ2時間半にわたって視察しました。

中国政府としては、感染の封じ込めを宣伝する展示を通じて新型コロナウイルスをめぐる対応の正当性をアピールするねらいもあるものとみられます。

一方、調査チームが関心を示している、感染拡大当初に多くの患者が確認された海鮮市場や、アメリカがウイルスが流出した可能性があると主張する「武漢ウイルス研究所」の視察はこれまでのところ行われていません。

調査チームは2週間ほど滞在する予定で、ウイルスの発生源やヒトへの感染ルートの解明に向けてWHOが求めている関連データの提供などに中国側がどれだけ応じるかが焦点となります。