大企業の人材を地方の中小企業に派遣 コロナ禍で支援へ

大企業や大手銀行などで経験を積んだ人材を地方の中小企業に派遣する国の制度が本格的に始まることになりました。新型コロナウイルスの影響でビジネスモデルの転換を迫られる企業などの支援につなげるねらいです。

この制度では、金融庁が商社やメーカーなどの大企業や大手銀行に対して地域の中小企業で活躍したい人材のリストアップを働きかけ、官民ファンドの「地域経済活性化支援機構」が管理するリストに人材を登録します。

そのうえで、地域の金融機関が取引先の企業からニーズをくみ取り、リストをもとに経験と能力のある人材を紹介する仕組みです。

新型コロナウイルスの影響が長期化する中、事業再生などの経験が豊富な人材を通じて、ビジネスモデルの転換を迫られる企業などの支援につなげるねらいです。

この制度を利用した中小企業は人件費に充てる経費の一部が補助されるということで、すでに可決・成立している国の今年度の第3次補正予算に必要な費用が計上されています。

金融庁の伊藤豊審議官は「今後、中小企業は生産性の向上や販路の開拓などに取り組んでいただかなければならない。取引先企業の経営をどう変えていくのかは地域金融機関にとっても大事な課題になる」と話しています。