台湾 去年のGDP 前年比2.98%増加 コロナ感染抑えプラス成長

台湾の去年のGDP=域内総生産は、新型コロナウイルスの感染を抑え込んだことで消費の落ち込みが小幅にとどまったうえ、米中対立の影響も加わって半導体などの受注が好調で輸出を押し上げたことから、世界で数少ないプラス成長を記録しました。

台湾の行政院の発表によりますと、去年のGDPは前の年と比べて速報値で2.98%増加しました。

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大する中、台湾当局は渡航制限や隔離などの対策を素早く厳格に行って域内での感染を抑え込んだうえ、自己負担額の3倍の買い物ができる金券の発行といった振興策が一定の効果をあげ、消費の落ち込みが小幅にとどまりました。

また、米中対立の影響も加わって半導体などの受注が好調だったことや、テレワークの普及によるパソコンなどの需要拡大で、輸出が押し上げられたことがGDPの伸びに寄与しました。

これらの結果、台湾はコロナ禍で数少ないプラス成長を記録した国・地域の1つとなり、2.3%だった中国をも上回りました。

行政院で統計を担当する呉佩セン専門委員は「効果的な感染対策によって生産活動と消費活動が持続できていることが、このような成長につながった」という認識を示しました。

※センは、「王」へんに「旋」