コロナ感染者発生”口外しない” 市教委が学校に文書 鹿児島

鹿児島市教育委員会が、市内の公立学校に向けて新型コロナウイルスの感染者の発生やPCR検査の実施について口外しないよう求める文書を作成し、実際に感染者が確認された学校に送付していたことがわかりました。
鹿児島市の下鶴市長は「人権侵害を防ぐのが目的で情報統制ではない」としたうえで文書の表現を見直す考えを示しました。

鹿児島市では新型コロナウイルスの感染が拡大していて、28日までにおよそ700人の感染が発表されています。

こうした中、鹿児島市によりますと、市の教育委員会が新型コロナウイルスの感染者の発生やPCR検査の実施について、児童や保護者に口外しないよう求める文書を作成し、実際に感染者が出た学校に送付していたことがわかりました。

市によりますと、文書は、学校関係者や感染したりPCR検査を受けたりした当事者に向けたもので「身内をはじめ他の学級・学年の生徒およびその保護者、地域住民等への他言はしない」という文言があったということです。

鹿児島市の下鶴市長は29日の定例会見で「文書を出したこと自体は妥当だが、一部誤解を招く表現があった」として表現を見直す考えを示しました。

そのうえで「情報統制ではないか」との質問に対し、「児童の特定や人権侵害を防ぐのが目的で、情報統制ではない」と強調しました。