決算発表がピーク 半数以上が減益や赤字を予想

東京証券取引所1部に上場する企業の先月までの9か月間の決算発表が、29日、ピークを迎えました。1年間の業績見通しを公表した企業のうちの半数以上が新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで減益や赤字を予想しています。

東証1部に上場する3月期決算の企業の第3四半期の決算発表は29日がピークで、全体の18%にあたる275社が業績を開示しました。

SMBC日興証券が28日までに発表を終えた160社の決算を分析したところ、最終的な利益が増益となった企業は79社で全体の49%にのぼりました。減益は60社で全体の37%、最終赤字を計上した企業は21社、13%でした。

各社の利益を足し合わせると、前の年の同じ時期に比べて21%の減少となり、新型コロナの感染拡大の影響を受けた「陸運業」や「サービス業」などの落ち込みが目立っています。

また、1年間の最終的な利益の予想を公表した147社のうち、増益を予想する企業が69社、46%ありましたが、減益の予想が64社で43%、最終赤字を見込む企業が14社、9%で、半数以上が赤字か減益を予想しています。

一方で、39社が最終的な利益の予想を今回の決算で上方修正し、下方修正した9社を大きく上回っていて、当初の想定よりも年間の業績が上向くと予想する企業も増えています。

SMBC日興証券の伊藤桂一チーフクオンツアナリストは「見通しを明るい方向に修正する企業も多いが、外国人旅行者の減少の影響が大きい陸運や空運、小売りなどの業績がどのような内容になるのか注視したい」と話しています。