建設アスベスト 京都訴訟 国とメーカーの賠償責任 確定 最高裁

建設現場でアスベストを吸い込み肺の病気になったとして京都の元作業員らが健康被害を訴えた集団訴訟で、最高裁判所は、上告を退ける決定をし、国と、建材メーカーの賠償責任を認めた判断が確定しました。一定以上のシェアがあった建材メーカーに賠償責任があるとする判断が確定するのは初めてで、今後、全国の裁判に影響を与える可能性があります。

建設現場で働いていた元作業員や遺族が建材のアスベストを吸い込んで肺がんなどの病気になったとして国と建材メーカーに賠償を求めた集団訴訟のうち、京都に住む27人が訴えた裁判では、2審の大阪高等裁判所が平成30年、国や建材メーカーが被害を防ぐための対策を怠ったと判断し、国に1億8800万円余り、メーカー10社におよそ1億1300万円の賠償を命じました。

元作業員側と国、それにメーカーが上告しましたが、最高裁判所第1小法廷の深山卓也裁判長は、29日までに一部の原告に関わる部分を除いて上告を退ける決定をし、2審の判断が確定しました。

一定以上のシェアがあった建材メーカーに賠償責任があるとする判断が最高裁で初めて確定することになり、今後、全国の裁判に影響を与える可能性があります。

また、国の賠償責任を認める判断が確定するのは2件目です。

原告「この日を迎えられ うれしく思う」

最高裁判所が上告を退け、国と建材メーカーの賠償責任を認めた判断が確定したことについて、原告の1人で、造船所の吹きつけ工だった夫を亡くした京都市の義經若枝さん(72)は「私たちの提訴からまもなく10年がたちます。夫は国と企業を信じていましたが、余命が短くなったときに『まじめに働くもんがばかを見るんやな』とこぼしました。本当に無念だったと思います。たくさんの人たちの力を借りてここまでこぎ着け、この日を迎えられてうれしく思います。これからも、最後の1人まで救済していきたい」と話していました。

また、原告の弁護団長を務める村山晃弁護士は「これまで命を落とす原告が後を絶たず、つらい思いで戦ってきました。長い戦いでしたが、最高裁が国と企業の基本的な責任を認め、救済すべきだという判断を支持してくれました。ただ、大阪高裁では原告全員が救済されたものの、最高裁は屋外労働者については国や企業の上告を受理し、結論が覆る可能性があります。屋外で働いていた人もひとしく救済するべきで、戦いをやめるわけにはいきません」と話していました。